映画色々

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アイ・アム・サム
レンタルDVDで観賞、こういうタイプの何と言うんでしょうか、失礼ながらアメリカ人がいかにも好きそうな家族モノ、
そういうのはあまり好きではないので、正直なところ中々見ようとは思わなかったのですがダコタ・ファニングに釣られ。
で、そういうのに限ってみてみたら異常に好きになる、という漫画的展開と同じで、やはり本作を見終わった後は久々に、
それこそレンタルではなく製品版を購入しても構わないぐらい好きな映画の一つになったんですけど、えー以下感想。
相変わらずショーン・ペンとダコタ・ファニングの神がかり的な演技力に終始圧倒されてたんですが、確かに親が、
最近は痴呆症という単語を使ってはいけなくなったんでしたけ?まぁ親が痴呆症だと、どれだけ愛情があろうと、やはり
周囲の気持ちで言えばサムにルーシーを任せるのは少し不安になりますよね。
かといって二人を引き離した場合、アニーが言うようにサムと引き離されたことでルーシーは心に穴が出来てしまい、
その穴を埋めるのに一生を費やす事になる可能性も捨てきれないので、結局はどちらが正しいという事が無いのかなと。
けど実際裁判なので法律上の問題だけで考えてますけど、本当にルーシーの事を想って判決を下すというのであれば、
今後どうなるかは別にしてサムとルーシーを引き離すべきではないだろうなーと、サムは立ち直れるかもしれませんが、
性格と年齢を考慮した場合、恐らくルーシーはマジに一生閉じこもる事になってしまうでしょうし。
しかしまぁ、サムとルーシーとリタ、この三名だけでなく相手の判事がまたイイ味出してましたよね。
ただ俳優さんはこれ以上無いくらい顔だけで十分な演技をしてくれてたものの、展開的に判事の言動が、リタも言うように
誘導尋問になってたり、手本にしたい人物は誰かの問いに「父親である僕自身」と答えるサムに「あなたは7歳ですよ?」
と年齢の問題を出す辺りが悪い意味で異常ですよね、なら死刑囚だが40歳とかならいいのかと、単にサムの知能面での
問題を指摘しただけでしょうけど、年齢が関係ないなら年齢の話なんか出すなという感じですよね。
逆に、判事が異常なまでに論理的で、しかもそのうえ優しい人物だと視聴者としては「まぁ…確かにそう言われると…」
と感じてしまうので、物語的には判事を悪役っぽく描くというのは正解なんですが、見てる分にはヤな感じだったなーと。
一方里親のランディ夫婦が無駄にイイ人だったというのは展開的にも熱かったです。
熱いのは熱かったんですが、個人的にはラスト、そのイイ人ぶりが裏目に出てしまってるかなとも思いました。
微妙にぼかしてましたけど、まぁ展開的にはサムが裁判に勝ってルーシーを再び引き取ったとは思うんですが、既に
ランディ夫人とサムは仲良くなってるので、正直勝ち負けを抜きに「どちらの家でルーシーが普段過ごすのか」という
違いしかないので、あれだけ「ルーシーと引き離されたくない」と奮闘してた終盤までの展開が無意味になるなーと。
安易にサムとリタがくっ付かなかったのは良い感じでしたし、ホント終始楽しく見させて頂きました、素で良作。
見てる時は色々と感想を書こうと思ってたんですが、実際感想を書く段階になるとあまり書くことが無いというのも○
いや、書く事が無いのは良いことなのかどうか分かりませんが、アレですよ、とにかくダコタ・ファニングが神。
しかしコレを見ていて一番思ったのは、二週間に一度、二時間だけ面会出来る二人の会話を記録する係の人達、
当然この人達はサムとルーシーの会話を記録していたわけですが、ああいう親子の会話を聞いてよく耐えれるなーと。
仕事なので私情を挟むわけにはいかないんでしょうけど、あんな会話を聞いても二人を引き離すとか鬼の所業。
あ、ちなみに日本語吹き替えでも所々確認してみたんですけど、この作品に関しては日本語と英語の良し悪しの区別が
非常に難しいなと思いました、まず「声だけ」で痴呆症を表現すること自体が難しいですし、裁判時のやりとりは
日本語の方が分かりやすい箇所もあったりと、双方共に良し悪しが顕著に表れてるので何とも言えないなーと。
ただそれで言えば、声だけではなく体全体を含めての演技もそうですけど、ショーン・ペンは相変わらずマジで神。



アイランド

レンタルDVDで観賞、ネット上での評判があまり宜しくなかった割りには結構面白かったです。
勿論、どういった作品でもそうであるように、本作でも「コレは何故こうなるのか?」と疑問に感じる箇所が複数点
存在したのも事実ですが、見てる分には普通に面白かったなと、リンカーンが施設から脱走するまでは微妙でしたが。
面白かったんですけど、個人的には映画ではなく全六話ぐらいのTVシリーズで構成した方が面白くなったんじゃないかな、
という印象を受けました、上手い具合に纏めてあるとは思うんですが、細部の設定を固める為にも後少し時間を。
えー、設定は凄い良かったと思います、人間を助ける…というか高い金を払ってるとはいえようは臓器関係の保険、
アグネイトという製品があるおかげで実際助かる人々が居て、幼児でも生存する事が可能になっていく。
単純に医学面で考えれば凄い事ですし、「人間」の役には立ってますよね、違法だろうと何だろうと。
ただ問題はアグネイトが自我を持っているので殺すのが可哀想という点と、自我を持つアグネイトを製品と呼称して
簡単に殺す事が出来るか、マックのように「製品」とは言いつつも確実にリンカーンの友人として接してるように
人間として見てしまう、問題はソコですよね…てかまぁ、ソレを言い出せば「何故アグネイトに自我を持たせたのか?」
という疑問が生まれるのでアレなんですけども、詰まるところ殺せるかどうか。
てか自分で今書いておいて疑問に思ったんですけど、その辺りの設定が甘いですよね。
確かにアグネイトのおかげで臓器関係は便利でしょうからいいんですが、何故自我を植えつけたのか、何故わざわざ
偽の記憶を植えつけたのか、何故普段規則正しい生活をさせているのか、何故男女の接触が禁止なのか。
これらに対する明確な答えが用意されてなかったのが残念な限りです、特に自我や記憶に関しては一切無ければ、
リンカーン達が脱走するような事態にもならなかった…とか言い出せば、そもそも何故リンカーンに異常が発生して、
よりによって顧客の記憶が芽生えて3年分の記憶しか無いはずなのに30年分の記憶を持ってしまったのか、
とかまで疑問が繋がっていくので…まぁ、早い話「見てる分には面白いけど設定面が異常に甘い」ですよね。
個人的にはこのアイランド、面白かったんですけど感想を書くとなると色々考えてどんどん微妙な評価に、
そういう妙な方向へ感想が変わる作品でした、面白いんですが「単純に見てて面白い」のであって考えてはいけない、と。
内容以外で「んー」と感じた点としてはまずユアン・マクレガー、別に悪くはなかったですしソコまで気になるわけでは
ないんですが、正直悪い意味でというか、どうにも「オッサン」という意味で老けすぎな印象を受けました。
老けてると主役は出来ないとか言うつもりはありませんが、何となくカッコ良く見えないなーと。
後はアレ、施設から外界へ飛び出て一番近場にあった建物がモーテル、次がストリップバー、どこに施設建ててるんだと。



宇宙戦争
巷での評判は正直決して良いとは言えませんが、期待してなかったせいか個人的にはかなり面白かったです。
確かにラストが意味不明だったり、重要すぎる箇所の説明が一切無かったり、展開上ご都合主義にも程がある面は
あるものの、落雷が連続して発生〜レイがトライポッドを手榴弾で撃破、まではテンポも良くて面白かったです。
パニックモノによくある「逃げ惑い何とか生き残る」ではなくレイとレイチェルを主軸に描いていたのが特に良い感じ。
こういう状況になった場合仕方無いとはいえ、レイ達の乗ってる車に、レイチェルみたいな10歳の子供が居るのに
平気で窓ガラス破壊してでも車奪おうとする人間の醜さや、まだ収容人数も時間も余裕があるのに締め出すフェリー、
真偽が定かでないもののレイチェル自身が「パパを待ってるの」と言ってるのに無理矢理連れて行こうとする女etc
色んな意味で人間の汚い部分もしっかり描いてたのが更に良い感じだったなと、ただ醜い部分を描くだけでなく、
本編開始前までは娘のアレルギーすら知らなかったレイが命がけでレイチェルと…名前忘れましたけど息子を
護ってたのも良かったですし、最後トライポッドに吸い込まれそうになった時、周りの人々が一斉に手を差し伸べて
助けてくれたりと人間の良い部分も描いていたので、個人的には中々の良作だったのではないかと思います。
だからこそラストの微妙さが余計残念ではありますが、相変わらずダコタ・ファニングは神がかった演技ですし、
俺個人としてはコラテラル以来のトム・クルーズも良い感じで中々良い映画を見させて頂きました、笑いの意味でも良好。
しかし何と言うか、前述の様にラストの微妙さも気になるものの、むしろ息子が悪い意味で中途半端だったのが最も
本作の印象を悪くしてるというか…まぁ、そら言い出せば車が止まったのに何故飛行機は動いてたのか、とかありますが。
年齢的な意味も含めて父親へ反感を持ってるのは分かりますが、マジになってトライポッドの側へ行きたがる理由が
不透明、結局最後何故か助かりレイチェルを命がけで護るレイを見てないのに感涙しながらレイと抱き合う、とかも微妙。
息子の真情描写がしっかり成されていなかった、というのが残念でした、ジャケ写に映ってない時点で仕方無いですが。



海底2万マイル

レンタルDVDで観賞、ジュール・ベルヌの事を知らなくてもこのタイトルだけなら知っている、という程に、
あまりにも有名な作品ですが遅れ馳せながら見ました、個人的な感想を先に言えば正直微妙にも程があるなーと。
今現在2006年、科学がここまで発達してない時代に見れば面白かったかもしれませんし、期待せずに見れば十分に
楽しめたのかもしれませんが、少なくとも個人的には、久々に見てて眠くなるぐらい微妙なレベルでした。
結局あの時代にどうやってノーチラス号を作ったのか、原動力になっている人類が追い求めるエネルギーとは何なのか、
肝心の部分が描かれてませんし、ネモ艦長はまだしも教授のキャラが非常に弱いので、正反対の考えを持つ者同士の
舌戦による面白みが無かったのが特に残念なかなと、ノーチラス号関連に関しては全てを明かさない方が夢やロマンが
あるとも言えますが、個人的には内容が楽しめなかった分そちらに期待していたので余計残念だったなと。
良くも悪くも自由に行動してるネッドや、中盤からネッドと妙に相性抜群だったオットセイは良かったんですが、
個人的にはこの二点だけで、内容に関しては肩透かしを喰らったなという印象、原作はまだしも、少なくとも映画は微妙。



クルーエル・インテンションズ
レンタルDVDで観賞、サラ・ミシェル・ゲラー目当てで見ようと思ったので「危険な関係」の映画化作品とは露知らず。
いやまぁ、原作の方を読んだ事が無ければ、過去二度に渡って映画化された作品の方も見てないですが。
えー、早い話が淫乱女とエロ小僧が繰り広げるストーリーだったわけですけども、最後はアネットを護り死ぬセバスチャン、
過去どれだけ酷いプレイボーイであっても、流石に本作内で描かれるのはアネットに本気で恋をして真面目に接する
セバスチャンなので、普通に見てる分には可哀想ですよね、ある意味では今までの罪が一気に来た、とも取れますが。
というか、よくよく考えれば酷い男のはずなのに、セシルを巻き込もうとしてるキャスリンに対して「罪の無い子を
傷つけるのは良くない」と非難したり、アネットに自分の事を知ってもらう為、自身が過去に堕としてきた女性の事が
克明に記されたファイルを渡したり、地味に偉いですよね、根が真面目で、本気で惚れたからこそ出来たんでしょうけども。
キャスリンに関しては最初から最後まで身勝手な女として描かれてたので、確かにセバスチャンを間接的に殺した事も
ソコまで不自然ではないんですが、とりあえずロナルドが最悪ですよね。
家庭教師に来てるくせに親に内緒でセシルと恋仲になり、バれてクビになったのに後程ヤる関係にまで発展、
しかも仲を取り持ってくれたキャスリンに誘惑されて簡単にキャスリンともヤる、にも関わらず、実はセバスチャンが
セシルとヤっていたという事をキャスリンに聞くと激昂してセバスチャンに殴りかかったりと、よく考えれば一番最低な男。
身勝手な男、という意味では自分にだけ正直で、自分は誰とヤりまくっても構わないというクソみたいな思考をリアルに
体現した男ではあるものの、自分の事を棚に上げて結果的にセバスチャンを殺したのはいくらなんでも酷いですよね。
流石にあの後何かはあったと思うものの、学校で罪が暴かれたキャスリンと違って、ロナルドは以降登場しないので
結果的に、自分のしたいように色んな女とヤった→セバスチャンを殺して自分のウサだけは晴らした、ですし。
後半のキャスリンとロナルドが非常に鬱陶しい言動を取っていたものの、全体的には結構面白かったです。
サラ・ミシェル・ゲラーも丁度一番綺麗な頃の作品ですし、何よりサラの卑猥なセリフが聞けるのは本作だけ。
面白かったり良い作品を目当てで見るには肩透かしを喰らうかもしれませんが、単純にサラ目当てなら良い感じ。
あ、ちなみにサラの吹き替えは三石さんが担当されてたんですが、声が合ってるかどうかに関しては微妙かなーと。
見終わった後に所々吹き替えで聞いてみただけなので、実際全編通して聞けば印象も変わるかもしれませんが、
聞いてる分にはそんなに合ってるなとは思いませんでした、バフィー以降のサラは水谷さんの吹き替えになってるので、
流石に水谷さんに比べれば遥かに合ってますが、どうにもサラは「この吹き替えが完璧」というのが無い印象。



コール
レンタルDVDで観賞、ヤバイくらい面白かったです、自分でもソレは言いすぎな気もしますが非常に良作。
パッケージにR15と書いてありましたけど、どの部分で規制が入ったんでしょうね、カレンが下着姿になったり、
アングルとシャーリーズ・セロンの顔がエロすぎてヤってる映像よりヤバかったベッドシーン、常識で考えればこの辺りが
規制に引っかかった気もするんですが、シェリルが体中に殴られて出来たと思われる痣が映像として流れてたので、
暴力関係で規制でしょうか、女が男の顔を殴るのは一切規制無いのに、男が女の顔を殴ったら暴力になるらしいですし。
まぁ内容とはあまり関係無い事なんですけども、結構な良作でダコタ・ファニングが出てる事から考えて彼女目当てで
見ようと思う方も多いと思うので、個人的にはカレンのベッドシーンさえ無ければ、という感じでした。
本作は、男性が頑張っているシーンが多かったのが印象的でした、キーワードというわけではないですが「強い女性」が
重点的に描かれ、男性はそういう強い女性に驚く描写の多い作品が目立つだけに、久々に活躍する男性を見た印象。
シェリルに誘惑されても既婚者だと断り、遊びならと言ってくるシェリルにもその気は無いと断ったウィリアム。
他にも脅されてる側なのに、逆にシェリルに筋弛緩剤を打ち込んだり、最後は自家用ヘリで普通の道路に不時着したりと
鬼のような活躍をしていたのが、正直どんな医者やねんという気もしますが中々爽快でした。
アビーの為にヘリの羽を揺らしたのが、最後道路の上で揺らしてアビーを安心させるのに活きてくるのも良い演出やなと。
本筋のカレンに関しては…まぁ、カレンがどうのというよりもジョーが色んな意味で迂闊ですよね。
過去四回誘拐してジョー本人は顔も見られてるのに捕まってないものの、仮に母親が直感像記憶力の持ち主だったら
どうするつもりだったんでしょうね、下調べは十分にしてるはずなのにアビーのぜん息を全く知らなかったわけですし。
で、そんなに欲求不満なのか過去四回の誘拐も、今回のカレンに対しても性交を要求、下着姿で寝室を歩くカレンも
どうかとは思いますが、いくら急所をメスで狙われ逆に人質にされたからといってビビりまくるジョーがまた。
確かに定期連絡を怠るとアビーが殺されるのでジョーを殺すわけにはいかないものの、実際ヤるというのは、正直リスクは
半端じゃなく高いですよね、カレンみたいにメスを隠し持つまでもなく、やろうと思えば男性器噛み千切って終いですし。
迂闊なのはジョーだけかと思いきや、シェリルは風呂に入った後ウィリアムを放ったらかしでマジに爆睡したり、
マービンに至ってはアビーを自由にさせすぎて携帯と薬を持った状態でアビーに逃げられたり、迂闊な連中やなーと。
ただ、個人的にはジョーは結構好きでした、最後は偉そうに「ルールを決めたのは自分だから破るのも自分」みたいな事を
言ってたものの、基本的には偉そうにしないリーダーでしたし、約束通り誰も殺しはしなかったので、所謂プロではない
アマチュアの中ではまだ真面目なタイプだったのが珍しいなーと、しつこくも誘拐した子の母親への性交はアレですが。
あと珍しくFBIがクソの役にも立ってなかったのが意外で面白かったです、携帯会社の副社長が通報したんでしょうけど、
街中を走るジョーの車を露骨にヘリで追跡するわ、情報を得たのはウィリアムとカレンが独断で取った行動の賜物で、
ただでさえ役に立ってないのに、車と路線の場所を教えると「20分かかる」とか発言、ここまで無力なのも珍しいなと。
あとは…本筋とまるで関係の無い箇所になるんですが「母親が美人で父親が医者」という誘拐理由、何か、誘拐ではなく
ソレと全く同じ設定を何かのアニメで見たような記憶が…何かは覚えてないんですけども。
最後にカレン、黒いのが下着なのか普通の服なのか分からないんですが、普通に乳首が分かる状態なのはどうなんかと。
女性の下着の事は流石に詳しくないので、むしろブラジャー越しだとソレが普通なのかもしれませんが、女性の下着事情を
全く知らない者からすれば、娘が拉致られて自身も極限状態にあるのに乳首勃起は無いやろ、とか思ってしまいました。
正直非常に面白かったです、個人的には今現在2006年2月3日、この時点までに視聴可能なダコタ・ファニング出演作で
考えると二番目に良作なのではないかなと、ダコタの良さや演技がどうとかではなく、単純に作品としての面白さが。



ザ・インターリプター

レンタルDVDで観賞、主演の二人は非常に良かったんですが内容的には今イチかなーと。
今イチというよりも、単純に俺自身の頭が悪くて中身を理解し切れてないとか、思想やらテロやらの内容に感情面で
移入出来ないというのも勿論あると思うんですが、単純に見てて楽しめるかというとそういうタイプではない、という感じ。
面白かったり良いと感じる方も居るだろうなとは思うものの、何も考えずに見てると終始「?」で終わりそう。
ただ主演のショーン・ペンとニコール・キッドマンは相変わらず安定してるので見てて安心出来ますし、色んな意味で
どちらもカッコイイ演技をしてるので、個人的にはむしろ演技面での面白さの方が意味合いとして強かったです。
他に感想は特に無いんですが…特に気になった点としては二点、国連側の…人間だったかどうかすら既に理解出来ずに
終わってしまったんですがラッド、ラッドがケラーやシルヴィアに対して「〜はどうだった?」と聞きすぎているので、
展開的面白さや犯人探しの醍醐味がどうとか以前に、ちょっと素で怪しすぎるのが残念だったなと。
初対面の人間でも、確かに捜査してるとはいえあれだけ探りを入れてるとしか思えないレベルで核心に触れる質問を
しつこくしてこられると露骨に怪しかったので、知名度をアップさせる為の犯行とはいえ微妙すぎるんじゃないかなーと。
もう一点は字幕表示、画面下部に表示される字幕が比較的大きめのサイズなのは、これは単純に評価に値する事では
あるんですが、肝心の字幕が二行に及ぶと、二行表示しても画面下部の黒枠部分に納めれるのに、上の一行分を映像に
被せて字幕を表示させてたのがいくらなんでも減点対象でした、というか普通に失礼な気が。
というわけで、個人的には主演二人以外にはソレ程目を見張る部分も無かったなという感じです、主演二人はマジ安定。



シザーハンズ
レンタルDVDで観賞、ジョニー・デップ目当てで見たものの面白かったです、スリーピー・ホロウ同様食わず嫌いの作品。
元々ティム・バートン監督作品があまり好きではなく、スリーピー・ホロウが良かったので本作にも手を出したんですが、
余程相性が良いのか、やはりジョニー・デップが出てる作品だと妙に良く感じれるなと思いました。
また今回の舞台が…田舎というよりも「ご近所付き合いが異常に浸透してる町」という感じでしょうか、そういう舞台を
メインに描かれていたのが良かったです、これが都市や山奥等の過疎化した村ならこういう展開にはならないでしょうし。
見てて思った事としては、確かにエドワードの両手が手ではなくハサミというのは驚嘆に値するものの、普通ならそんなに
気にはしないですよね、手がハサミで驚くのは分かるものの、それだけで迫害したりするのは人種差別と同じですし。
キムに頼まれてジムの泥棒の手伝いをして捕まった際、一切何も言わなかったのに「本当にエドワードがやったのか?」
「仮にやったのだとしたら何故やったのか?」といった事をまるで考えず「こういう事をする奴だった」と当然のように
批判しまくるオバハン連中、ジョイスに至っては理髪店の奥で自分から誘ったくせに逃げられた事に腹を立てたのか、
「レイプされかけた」と嘘を吐いてまでエドワードの評判を落としたりと、ほんまオバハンはヤバイなと思いました。
というよりも、本作は良くも悪くも男女の違いを明確に描いていますよね、一般的な意味や描写における点という意味で。
冒頭、ペグがエドワードを車に乗せているのを見て近所中に電話しまくるのはオバハン連中、中には悪魔とホザくのも。
ペグに誘われてもないくせに集団でペグの家に押しかけて「紹介してくれ」とホザくのもオバハン連中。
エドワードが逮捕された後、本人に真相の確認や理由を尋ねずエドワードは悪人だった、と決め付けるのもオバハン連中。
一方の男はというと、裁判所で弁護士との会話後エドワードの身を案じる警官、最後も空砲を数発撃って「逃げろ」と。
明確な描写が無かったのでアレですが、オバハン連中がエドワードを悪人と罵るから一緒に追いかけるオッサン連中。
本作の男女の描写は、男は大雑把に判断し基本的に友好的、女は初動が非常に友好的なものの世間体や風評で判断。
別にどちらがいいとか悪いとかではないですし、実際そういったカテゴリーに当て嵌まらない人が多いのも事実ですが、
色んな意味でペグの家族以外の良さと醜さを描いてるなと思いました、一番悪いのはジムですけども。
けどほんと、こういうのを見てるとオバハンはほんま最悪やなって思いますよね、しつこくも一番悪いのはジムなものの、
エドワードが裁判所から釈放された後、今まで通り普通に接するか、流石に怖いから多少距離を置く程度ならいいのに
ある事ない事を勝手に喚きたてて完璧に悪人扱い、自分達が今まで接してきて感じたエドワードの人柄を信じず、
確かに決して良い事とは言えないものの「空き巣に入った」という点だけを責め立てたりと、ほんまオバハンは最悪。
えー、正直面白かったです、結局キムは「悪いのはジムや自分」と言わなかったのが納得出来ませんし、エドワードが
TV番組で気になる女性という質問に対して妙にキムがドキドキしていたのが、そこまでの描写的に今イチ納得出来ない
部分があったりもしましたが、中々心温まるというか、ジョニー・デップの表情が良すぎたのも相俟って良作でした。
ただ、しつこくもキムは酷いですよね、エドワードは死んだ事にしたものの、少なくともキムが空き巣の件はジムが主犯で
自分がエドワードに無理を言って頼んだ、一言そう言えば、最低限エドワードの名誉と誇りは取り戻せたのに、
結局言わなかった辺りが納得出来ないなと、簡単に判断するのは早計ですが、孫が居るという事は結婚したんでしょうし。
後はアレでしょうか、キムが初めてエドワードを見てビビった直後の父親の発言、「最近の年頃の娘は皆イカれてる」
言う事は最もなんですが、まさかそんな強烈な一言が飛び出るとは夢にも思わなかったので麦茶吹きました。



スピーシーズ -種の起源-
レンタルDVDで観賞、店員のミスか客が勝手に動かしたのか、ツタヤ店内のエイリアンではなくホラーコーナーに
置かれていたので手にとってみたんですが、結構面白かったです、他の作品と違い女性型エイリアンというのも良い感じ。
よくよく考えれば、エイリアンのヒットでエイリアン襲来系の作品は爆発的に増加したものの、意外に女性型や子供型、
奇形や異形のエイリアンを見た事が無かったので、まずデザインや発想の時点で中々良い感じだなと思いました。
内容の方も、終盤シルが孕んで以降はB級の展開で無難なままラストへと雪崩れ込んでしまったものの、開幕〜シルが
高圧電流へ突撃するフェイクを見せるまでの展開は単純に面白かったです、展開にスピード感があるのが良い感じ。
確かに、正直露骨に性描写が多かったり平気で胸が描写されていたり、迂闊にスタイルが良くて、また胸が妙に
やわらかそうに見えるので家族で観賞するには向かない作品ではありますけども、シルが交配に関する映像を見て
知識を増やしたり、車の操縦を見て操縦法を覚えたり、分かりやすく、それでいて見ている側が印象に残りやすい描写と
演出でシルの知識が増していく様子を描いていたのが、良い意味で初心に帰った分かりやすい展開、という感じで良好。
シルを追う側の登場人物もキャラが良く、殺し屋なのに非常に人情家で集まったダン達と友情を深めるプレス、
科学者らしく多少人間性に欠ける面を見せつつもノリの良いアーデンとプレスに恋するローラ、別に霊能力者という
設定でなくても良かった気はするもののサポート役のダンと、役者の方も登場人物にハマっていて素で良かったです。
シルを研究してたフィッチ達に関しては、自分達の手に負えなくなってきたから恐怖を感じたというのは分かるものの、
眠りから目覚めたシルの居る場所へ有毒ガスを流し込んだり、エイリアンであって人間でないからとはいえ容赦無く
殺す気でシルを追う姿勢を見せていたりと、如何にも科学者は最低、という描写で良かったです。
シル役のナターシャ・ヘンストリッジが美人なので「最も危険で美しいエイリアン」の煽りに偽りは無いですし、
序盤の子役を担当されていた方も可愛らしかったりと、個人的にはエイリアンを基調とする作品で初めてエイリアンが
一番濃く目立っているなと感じれた作品でした、普通に面白かったのでそのうち2と3も見る予定。



スピーシーズ 2
レンタルDVDで観賞、1が面白かったので期待してたんですが、全てにおいて退化する続編の基本みたいな感じでした。
前作はエイリアンモノにしては珍しい展開で、意外にキャラ間の描写もしっかりしていて文字通り一粒で二度美味しい、
という中々に練られた内容だったのに、今回は終始ダラダラしてるは「この描写は必要か?」と素で疑問を抱く展開が
あったりと、期待しすぎていただけに余計残念な感じでした、何と言うか内容の良し悪し以前にテンポが悪い。
プレスが登場したのは本編開始から30分後でしたが、正直そこまでの30分間は別に無くてもいいようなレベルでしたし、
折角クールだったプレスが殺し屋なのに何時の間にか女性の秘書まで雇っていたりと、個人的にはひたすら微妙。
良かった点と言えば、朝目が覚めると隣に女性の死体があり、自分が殺したと思い込みショットガンを咥えて自殺を
図るパトリック、まずコレが良い感じでした、自責の念に駆られてとかを通り越しマジで発砲したのが凄いなーと。
あと、伏線という点で考えればある意味当たり前なんですが、新キャラの黒人が自分の欠陥遺伝子をプレスに刺させて、
ソレの攻撃で最後はエイリアンを撃墜するのに一役買った、良かったのはこの辺りでしょうか。
楽しみにしていたプレスとローラの絡みもプライベート関連の会話が一切無かったですし、何よりプレスの俳優は顔が
安定してるのに、ローラの俳優が妙に老けてたせいで正直別人にさえ見えてしまったのが残念なトコロ。
当初の予定では3も見るつもりだったんですが、個人的にこの2が駄作だったのでこのシリーズはココで打ち止めに。



スリーピー・ホロウ

レンタルDVDで観賞、個人的にはティム・バートン監督作品は今まで外ればかりで、ナイトメア・ビフォア・クリスマス、
マーズ・アタック、バットマン、2001年制作の方の猿の惑星、どれもが「んー…」という感想を抱き、特に猿の惑星は
小学生の頃からオリジナル版のファンだったので余計期待外れに感じてしまった、そういう経緯があるだけに本作も
どちらかと言えばジョニー・デップ目当てで見てみる事にしたんですが、意外に面白かったです。
ジャンル的にはホラーというよりオカルトでしょうか、魔女や首無し騎士とか出てきますし。
まず何より映像と世界観が良かったです、僻地の村で常に霧が出ている、この時点で映像的に目を見張るモノがあり、
ソコに首無し騎士が馬で駆ける姿が異常にハマってました、内容も勿論良いんですが映像的な美しさがありました。
人物の方の設定も良く、迷信を信じず科学捜査をしていたクレーンが実際に首無し騎士と遭遇して以降はビビりまくり、
「首無し騎士だった!」とマジになって震え上がるのが、変な例えでアレですが笑いを分かってるお笑い芸人というか。
単純に首無し騎士がカッコ良く、尚且つ強いのも見てて面白かったですし、マジで首を斬り抜くシーンがしっかり
描写されていて、挙句に斬り取った生首の上部に剣を突き刺して持って帰る映像まで流すのがカッコイイなと。
何故今までティム・バートンが監督を担当した作品で面白いと思えなかったのかが不思議なくらい、本作はとにかく
映像的センスの良さを感じました、特に殺害シーンをしっかり描いてるのが余計好印象。
女子供も容赦せず首を吹っ飛ばすわ殺すわ、クレーンの母親なんて鋼鉄の処女に放り込まれて殺害と、ひたすら熱い。
けどまぁ、実際冷静に考えるとクレーンの母親、魔女と疑われるのは酷なものの、パっと見の印象だと仕方無い気も
しますよね、純真で純粋というより、なんかもぅ見てる分には頭イってもうてるとしか思えないレベルで笑いすぎ。
本作はホント、ジョニー・デップは相変わらずどういう役をやらせてもハマってますし、クリスティーナ・リッチの美人さは
目を見張るものがあったりと、とにかく画面から伝わる映像が綺麗の一言でした、久々に目で楽しめた作品。
オカルト好きで映像面の期待もしたいという方には特にオススメだなと思いました、ホラー的には平均レベルかと。



タイムマシン

ネットで感想を色々見させて頂いたところ、流石に80万年後の世界で展開がガラリと変わった事もあってかひたすら
酷評が目立ちましたけど、個人的には非常に面白かったと思います、というか素で「良い映画を観た」と思えました。
こういう、時代を超える作品にありがちな「過去 or 未来を変える」という展開にならなかったのが特に良かったです。
アレクサンダーがウーバーを殺して、タイムマシンの爆発でモーロックを全滅させた、この事が「未来を変えた」と
感じる方も居るかもしれませんが、厳密には「未来は変えてない」ですよね。
仮に一度でもこの一日先の世界がどうなってるか見た場合は「未来を変えた」事になりますけど、アレクサンダーが
タイムマシンを作らなければウーバーと会話する事も無く、マーラがアレクサンダーを先導してタイムマシンを森の中で
見つける事も無かった、つまりマーラの弟が矢で刺されずに済んだかもしれない…というかまぁ、こういうのは
書き始めると序盤で黒板に書いていたような長い数式になるのでアレですけど、少なくともアレクサンダーが
存在している事でウーバーは消滅する事になったので、未来自体は変えてないのが良かったです。
というかウーバーが語っていた「エマの死でタイムマシンは完成した、エマの死は不可欠」このセリフが、
あまりにも説得力ありすぎて感動しました、ややこしい理論や理屈抜きで、確かに真実を語ってるので良いセリフだなと。
例えば俺の場合は皆川 ゆかさん著作の運命のタロット、という作品が非常に好きで、この作品も時間移動を肝とした
設定で語られてたんですが、実際アレクサンダー、或いは他の要因でエマが死ぬという事実が塗り替えられた場合、
既に一番最初強盗に撃たれて死亡した、まずあの出来事自体が起こらないんですよね。
時間を移動してるアレクサンダーによっては移動中が正に「今」なわけですけど、エマが撃たれたのを見た時の
アレクサンダーも当然「今」、しかしエマが助かるのであればそもそも撃たれないか、撃たれたけど死ななかった、
という結果になるのでタイムマシンで過去へ戻る展開自体が無くなる、という。
作品の主題にもなってるタイムパラドックスが一切行われず、何故過去を変える事は出来ないのか、という疑問に関する
確実で明確な答えが作品内で語られたのも良い感じでした、エマの死亡状況が変わったのは「運命が微妙に変更した」
そういう事実になるものの、まぁ本作はタイムパラドックスの有無に関する展開なので別に構わないかなと。
ただ、アレクサンダーが一度過去に戻りエマの死を見ただけで「運命を変える事が出来ない」と理解してしまうのは、
大学の助教授でタイムマシンを自作するだけ頭が良いので改変出来ない事実を知るのはいいんですが、もう少し
苦悩する描写が欲しかったかなーと、「もう一度過去に戻ってこうしてみれば」をやらなかったのは、既に自分自身が
エマの死を二度も体験してしまい、何より愛するエマが死ぬところを二度と見たくない、という事で理解出来るんですが、
もうちょっと悩んでほしかったところです、ウーバーの言葉でエマを諦めた点に関しては非情な現実を理解したので○。
それで、個人的に、実際酷評されてようが非常に良い作品だと思えたので最高に素晴らしい時間を過ごさせて
頂いた事には感謝してるんですが、やはり幾つか疑問が残りました。
俺が映画を見てて気付かなかっただけかもしれませんが、何故モーロックは時計をパクったのか、エマと居た時は
不意打ちで登場した強盗にブルってたのに80万年後の未来だとアクション全開、ソレも、一度ミスをして捕まったとはいえ
アクション面で全勝する程の実力者になってたのは流石に変わりすぎなんじゃないかな、と。
モーロックの登場に関しては一気に作風が変わったので賛否両論でしょうけど、個人的には面白かったと思います。
なんかもぅ猿の惑星にしか見えませんでしたが、見てて楽しめた以上ソレは紛れも無い事実。
エロイ族に関しては…とりあえずマーラーがモーロックに連れて行かれた際「何故戦わない!?」とアレクサンダーに
詰め寄られた青年が、最後アレクサンダーの手を取り助けたのは王道ながらも熱かったです。
80万年後の未来であまりにも展開が変わるので人によってはそれだけで拒否反応が出るとは思いますが、個人的には、
しつこくもほんま楽しい時間を過ごさせて頂きました、映画を見てこれだけ良い作品だったと思えたのは久しぶり。
というか曲が神がかりすぎ、CGや時間移動時の背景も凄かったですし、むしろ芸術作品として賞賛に値するレベル。
曲だけでココまで感動出来た映画は初めてかもしれないです、作品にハマりすぎてて素で感動。
ところでエマ役のシエンナ・ギロリー、美人にも程があり、アレクサンダーと居る時の幸せそうな顔は、正直コレは
凄いを通り越して、もはやその光景を見てるだけで「幸せ」というものを実感出来たので単純に凄い役者でした。
それで調べてみたんですけども、映画のBIO2でジルをやってた人なんですね、この人あまりにも美人すぎる。
えー、ホント面白かったです、曲もCGも神がかってて、何より見てて童心に帰れるというか、時間移動のみならず
展開自体が非常にワクワクしました、面白いというのも大事なんですが、ワクワク出来るという点がまず凄いと再確認。
あとコレは人それぞれなんですけども、アレクサンダーの吹き替えを子安さんが担当されていたのでカッコ良すぎでした。



地底探検
1999年制作の方の地底探検を見ました、ジェレミー・ロンドンが出てる今現在の時点で一番新しい方。
ジュール・ベルヌを好きな者としては見ておく必要のある一作だったわけですが、むしろ適当にツタヤ散策してる際に
ジェレミー・ロンドンの名を発見したので見ようと思った意味合いの方が強かったです、完全版188分を観賞。
特に間延びする事無く、CGやセットが色んな意味で妙だった点を除けば個人的には満足でした。
地底世界に関しては驚きよりも笑いが強かったです、いきなり人間大で二足歩行してる恐竜が出た時リアルで茶ァ吹いた。
むしろ本作に関してはSFや未知への探求というよりも、セレドア、ジョナス、この二人を取り巻く女性関係の方が
展開的にはメインだったと思うんですが、セレドアの方は露骨にキャスパーが欲に目が眩んで最後死亡、道中の
アリスが見せる態度もセレドアに傾きすぎで微妙だったんですが、ジョナスの方は良い感じだったのではないかと。
ラルナの方が役者からして可愛い時点で見る者の視点でもラルナが好きになるんですが、最後、ラルナに会う為に
また地底へ戻ろうとしてる辺りが好感の持てる展開だったというか…てか、現実で考えたらラルナ死んでますよね。
海渡ってる点に関してはまだ船を漕げば戻れるものの、少なくとも海を超えたのは恐らくラルナにとって初めての事、
磁石の無い状況で果たして帰れるのかと、その辺りまで描くか、ジョナスとの再会も描いてくれれば尚良かったかも。
というわけで個人的には満足出来たんですが、地底世界云々を楽しみにしてたら肩透かしを喰らう印象です。
正直同じ地底世界という点で考えれば、ドラえもんの映画、竜の騎士の方が遥かに設定がしっかりしていてワクワクも
するので、単純に未知の世界に惹かれて、というのであればドラえもんを見た方が楽しめる、という感じでした。
で、冒頭のジュール・ベルヌよりもジェレミー・ロンドン目当てで、に関してなんですけども、個人的には
ジェレミー・ロンドン目当てで見るとしても中々楽しめるのではないかと思います。
俺の場合、恐らく殆どの方がそうだと思うんですがサンフランシスコの空の下、あの海外ドラマのS2以降での
グリフィンをジェレミー・ロンドンが担当し出した事で好きになった、というクチなので、グリフィンみたいに低い声で
序盤ぶっきらぼう、ジュリアとの絡みはひたすらカッコ良く、を期待してると地底世界の内容同様肩透かしを
喰らうものの、ジェレミー・ロンドン自身の演技で見るとかなり良い感じでした、演技の良し悪しの面でというよりも、
役柄が違うので当然ですがグリフィンの時と違い結構高い声や情熱的な演技も見せてくれるので、見てるだけでも良好。



チャーリーとチョコレート工場
レンタルDVDで観賞、実は全く期待せずに見てみたんですが、期待してなかったおかげか結構面白かったです。
相変わらずティム・バートン監督作品はジョニー・デップと組んでる時は大安定の面白さですし、曲も相変わらず良好。
ただ面白かった反面、基本的に「子供が誰か余計な事をする→ウンパ・ルンパに運ばれる」という展開ばかりなので、
印象は個々様々でしょうけども、個人的には途中でバイオレットが膨らんでウンパ・ルンパが登場、この瞬間から後は全て
多少冷めた感じで見てました、決して面白くないわけではないんですが、あまりにも同じなだけ、というのが微妙。
むしろ本作の面白さはチョコレート工場へ行く前夜…チャーリーの父親の父親に説得されて行く事を決意するチャーリー、
ココまでの展開の方が非常に面白かったです、王道ではあるもののどんどん金のチケットが発見されていき、ようやく
自分も三度目の正直で金のチケットを引き当てる事が出来た、というのが良い意味で王道だったなと。
毎日のように金のチケットが発見され、当然ながら当選した子供が紹介されていく、この過程も陳腐な表現で恐縮ですが、
ムスっとするチャーリーとは裏腹に「どんな子なんやろ」と単純にワクワクする気持ちで見ている事が出来ましたし。
というかアレですよね、実際当選した子が嫌味な連中ばかりだった反動か、チャーリーの一家がイイ人すぎたなーと。
父親の父親は嫌味ばかりで序盤こそウザイもののチャーリーを説得したり、母親の父親はヘソクリでチョコを買わして
くれたり、チャーリー自身は家計の為に工場行きを一度は拒否したりと、無駄にイイ人ばかりで目頭が…(´Д⊂
店長も良い感じでした、周囲の客が金でチケットを買い取ろうとしてるのを見て「誰にも売っちゃダメだ、大事に持って
お帰り」と、ある意味引き当てたのはチャーリーなので当然なんですが、店長権限で奪わない事も含めて好印象。
えー、そういうわけで結構面白かったものの、個人的に中盤以降失速した事を考えると…結果的には微妙かなと。
序盤の面白さは近年稀に見る良さだったんですが…特にバイオレットは個人的に注目してただけに、そうそうに彼女が
退場になった事も減点対象になってしまったなと、ウンパ・ルンパも正直絵的にあまり気持ちが良いとは言えませんし。
吹き替えでも所々確認してみたんですが、本作のジョニー・デップは平田さんではなく藤原さんでした。
ウォンカの声の高さを考えればそれ程違和感も無かったので良かったなと、逆にウンパ・ルンパに関しては、特に歌だけは
日本語だと何を言ってるのか解読が困難なので英語の方が良かったです、普通に歌は英語で字幕出せば良かった気が。
とりあえず最後の「甘い人生を送った」というオチは「やるな」と思いました、にやりとさせられたというか。



隣のヒットマン
レンタルDVDで観賞、めちゃめちゃ面白かったです、久々にコメディーが面白いモノであると再確認出来た作品でした。
ツタヤ店内にてブルース・ウィリスのコーナーに置いてあったので何となく手に取っただけで、実はジャンルを気にせず
借りるという暴挙に出たのが今回は余計功を奏した形になりました、見てて声を出して笑った映画は久々です。
特典のインタビューでも言われてましたけど、オズ役のマシュー・ペリーが非常に良い味を出してますよね。
オズのキャラがまず良かったというのもありますが、一つ一つの言動が妙に面白い、普通にキャラが良いのに、
開幕妙に気合の入った顔で歯磨きしてたり、嫁姑のウザさに耐えかねて車の中でハンドルに八つ当たりしたり、
終始笑わさせてもらいました、初めて見る俳優の方でここまで良いなと思えたのはホント久々の事です。
また良いのはオズだけではなく、ジミーは殺し屋なのに友情を大切にする熱い男、ジルは殺し屋と告白して以降が
本領発揮のハイテンションな女、フランキーはもはや笑顔がたまらなく熱いと、ここまで色んな意味でひたすら良い
配役と登場人物を作り出した監督とスタッフの方々に、素直に拍手を送りたい気持ちでいっぱいになりました。
ただ、逆にここまで面白い要素を兼ね備えていただけに、シンシアが今イチ普通のキャラだったのが残念かなと。
重要な位置にいる人物なものの本編にはそこまで登場していない、そう考えれば十分かもしれませんし、
オズに心底惚れる良い意味で普通の女性という役所だったので、他の登場人物に食われて勢いがありませんでしたし、
何よりナターシャ・ヘンストリッジを持ってくるには勿体無いなという感じでした、豪華と言えば豪華なんですが。
ヤンニ側も、むしろ折角のコメディーなのでもっとはっちゃけて笑える要素を増やすのも良いんじゃないかと思ったり。
まぁ崩しすぎると展開的面白さが無くってしまうのでやりすぎもアレでしょうから、そう考えるとやはり本作の
内容とキャラの性格や設定付けは実にナイスなレベルに達していたなと、ホント凄い面白かったです。
強いて難点を挙げるとすれば…マッパで上半身裸の映像が映るのが唯一残念かなと、コメディーと言えば女性の裸、
そういう印象は確かにあるものの、ソレさえなければもっと広い層にもアピール出来るので個人的には残念でした。



ナインスゲート

ジョニー・デップ好きな割りにはあまり氏の出てる作品は見てない為、一番最初に目に付いたのを借りてきました。
ジャンルは一応オカルトホラーとの事ですけど、主人公のコルソが本の鑑定士?で、やってる事自体は自分の足で現地へ
赴いて調べての繰り返しなので、どちらかと言えば主題がオカルトでジャンル的には探偵モノに近い印象を受けました。
内容の方も、業界内では悪評高い鑑定士の主人公がヤバイ依頼をされる、本の元の持ち主の夫人が本を取り戻す為に
色仕掛けで主人公に迫ってくる、正体不明の女が何故か協力してくれる、主人公が訪ねた人物が謎の死を遂げていく、
依頼人も夫人も実は悪人という、正に探偵モノの王道をいく展開と内容だったので、どちらかと言えば探偵モノかなと。
ただ悪い意味で探偵モノやオカルト系の特徴が色濃く出てたのが残念でした、謎の女は空を飛んでた、とかを抜きに
考えても悪魔でしょうけど、最後コルソが悪魔の国に入って行ったのか分かり辛いラストを迎えたり、展開的に
「何故そういう事になるのか?」が不鮮明だったり、登場人物が極めて薄かったりと、内容的には正直微妙だったなと。
曲は作品に実にマッチした非常にレベルの高いモノが揃えられていて良かったですし、特典として収録されていた予告は
極めて秀逸だったんですが、見終わっての感想は「微妙やったな」というモノでした。
疑問に感じた箇所としては、前述の女の正体やラストはこの際構わないとして、まず何故テルファーが自殺したのか。
ただ単に「人生に嫌気がさして」という理由で本編とは関係無いかもしれませんし、夫人が殺した可能性もありますが、
テルファー自身は本に全く興味が無かったそうなので自殺の理由が分からなかったなーと、本を売った理由も同様。
次にバルカン、コルソに真贋鑑定の依頼をするのは構いませんし、現物が無ければ仕事をする際困るのも確かですが、
あれだけヤバイ意味で熱狂的なコレクター、挙句に版画が最終的に必要なのに何故本をコルソに預けたのかなと。
儀式をする際にコルソが登場しても、やはりコルソに対してはゲイという意味ではなく好意を抱いてたそうなので
単純にコルソを信頼して全面的に鑑定を依頼した、というだけの事かもしれませんが、バルカンの性格を考えると微妙。
あとは名前を忘れましたけど最初に居てた兄弟は何だったのか、何故謎の女は最初から露骨にコルソに肩入れするのか、
その辺りが気になりました、探偵モノやオカルト系で一切謎を残していない作品が皆無に近い事を考えれば普通ですが。
あ、もう一つ気になった事としてはバルカンからコルソへの電話、何故居場所が分かったのかに関しては発信機でも付けて
おけば事足りるのでいいんですが、何故コルソに「今どこに居る?」と聞かれても答えなかったんでしょうね。
最初は単純に、既にバルカンは殺されてて画一的な音声をテープに入力してあるのでソレで応答していた、とかだろうと
ばかり思ってました、本が燃えたと聞いても「ひどい」しか返ってこないので死亡済みなんかなーと。
探偵モノとして考えた場合はテルファー夫人の設定が稀有なタイプで中々良かったのではないかと。
こういう作品の場合、やはり未亡人なり秘書なりが色仕掛けで主人公に迫り目的の物を取りにくるわけですけど、
大抵が20代半ば、30代前半〜中盤、という事が多いじゃないですか、アレな表現ですけど熟れてエロそうなタイプ。
それがテルファー夫人は露骨に40歳、役者自体が無駄に扇情的だったので十分ですが、個人的には良かったです。
というか夫人の設定、貴族出身なのに金目当てでテルファーと結婚、乱交目的で毎週クラブに参加し、旦那が自殺した
翌週なのに会うのが二度目のコルソを自分から誘惑してヤるとか、その人生をエロに捧げたような性格の方が本作を
見終わった時に記憶に残りました、内容より夫人の設定と言動が無駄に目をひく。
あー、あともう一つ、夫人のケツに入っていた妙な刺青、マジでアレなんだったんでしょうね、単なる悪魔関係のモノ?
後ろ姿とはいえヌードが映ったり、露骨に男性器をズボンの上からとはいえ触る描写があったり、スカートを捲し上げて
ストッキングやパンツやケツが見えたり、最後は胸全部モロに見えてる状態でヤってる映像が流れたりと、正直未成年には
あまり見せれない描写が目立ったのが気になりましたけど、探偵モノとして考えれば無難な出来だったのではないかと。
意味が分からないとかそういうのは置いておいて、単純に「探偵モノ」で考えれば無難なレベル。
オカルトで考えると「意味が分からない」という事も含めて結構良い感じでした、ただ終始微妙感が漂う感じ。



パニック・ルーム
レンタルDVDで観賞、デヴィッド・フィンチャー監督作品はセブンとゲームを過去に見た事があったんですが、
世間での評価とは裏腹に、どちらも個人的には終始面白くないと感じてしまったので本作も見ていなかったんですが、
今回見ての感想はというとやはり微妙でした、内容が微妙なのもそうですけど、悪い意味でらしくない印象。
セブンやゲームを見れば「いかにもデヴィッド・フィンチャー」という作風だったものの、本作はただのサスペンスで、
展開も演出も然して盛り上がる事無く終わってしまったのが、個人的には二重の意味で「んー…」でした。
むしろ内容より、やたらと強調されてるジョディ・フォスターの胸の方が印象に残る辺り微妙なもんやなと。
とは言っても面白くないだけではなく、強盗犯が三人共階下に降りた隙を突いて携帯電話を取る為にパニックルームを
出て戻るまでの展開や、ジュニアが抜ける時にラウールが射殺し周囲に流れる緊張感、この辺りは良かったです。
ただ他のシーンが、盛り上がらず、かといって面白く無さすぎるわけではないレベルで淡々としてたのが残念やなと。
バーナムが妙にイイ人だったり、メグと玄関口で交わした会話だけで何かしら勘付いたキーニー巡査、旦那の再婚相手に
電話したらニコール・キッドマンが声だけで出演していたり、前述の二点と合わせて良かった箇所もあるだけに余計残念。
他だとアレでしょうか、とりあえずメグの年齢に対してスティーブン・アルトマンが老けすぎだなと。



フライトプラン
レンタルDVDで観賞、序盤・中盤・終盤、面白さがあまりに変動してしまうのが良くも悪くも勿体無かったかなと。
強引な別け方ですが、ジュリアの姿が忽然と消えるまでの18分間を序盤、カーソンが犯人だったと判明するまでの中盤、
ソレ以降を終盤、単純にこの三つで分けると、少なくとも個人的には中盤が非常に面白く、序盤と終盤は酷すぎたな、と。
感じ方は人それぞれだと思いますが、開始から7分でようやく登場するジュリア、正直ソコへ至るまでの展開があまりにも
ダラダラしすぎていて、空港でジュリアの姿を一度見失うまでの9分目、ジュリア登場からの2分もこれまた辛いモノがあり、
ようやく飛行機に乗り込む11分半前後から普通になるので…早い話、個人的には序盤の10分でどれだけ見切ろうかと。
ジュリアの姿が消える18分目からはスピーディーな展開と相俟って非常に面白かったんですが、コレは…序盤のダルさは
ともかく、単純に真相の微妙さが問題ですよね、しかもそれ以前にカーソンに魅力が無さすぎるのが最大の問題。
「記憶があやふやで…」とは言ったものの、最後まで「ジュリアの姿を見ていない」と言わなかったフィオナが途中から
まるで触れられていなかったのも「んー…」という感じですし、ステファニーが共犯だったという点に関しても、
ジュリアの件で唯一能動的に動いてるスチュワーデスが彼女なので単純に怪しく、フィオナが何か喋ろうとすると遮るように
喋り出したり、映像的に余計だったと思うんですが「ステファニーに遮られると一瞥するフィオナ」こういう映像が一度
挿入されたせいで「少なくともステファニーに口止めされてるんじゃ?」と思えてしまったり、伏線の張り方も微妙な印象。
結局アラブ人はただの人違いだったようなので、劇中で彼自身が叫んでいたように、この扱いだと人種差別してるとも
取れてしまう扱いの悪さだったり、最終的に機長はきちんと謝罪したのに他は誰一人カイルに謝罪しなかったりと、
色んな意味で、後味が悪いというのとは違う意味で「なんつーか…まぁ面白いねんけど微妙」という感想になるかなと。
とりあえず難しい事を考えずに、機長達の立場に立って考えると、やっぱりカイルの行動は異常と取れてしまいますよね。
一週間前に旦那を亡くしたばかりで精神的に参ってるというのは分かりますが、それでもジュリアの姿を見失った際、
最初に機長と対面した時の態度が既にデカく、何も知らない機長からすればカイルの要求を受けて機内を隅々まで
チェックして、恐らくステファニーが用意したであろう偽の死亡診断書を見てカイルに…偽の書類とはいえ辛い現実を
告げる役目を担当する事になったりと、ちゃんとカイルの言うように色々したのに「娘さんは死んだ」と告げると、
「クレイジー!」と罵られたりと、正直そら機長からすればカイルの言動には我慢ならんものがあったやろうなと。
というかまぁ、別に機長の立場に立って考えなくても、やっぱりカイルは見ててあまり好感を持てない主人公ですよね。
娘が行方不明になってマジになってるのは分かりますし、なりふりかまってられないというのも一応は分かりますが、
周囲への態度が「娘が居なくなったんです、探して頂けないでしょうか?」というモノではなく、露骨に上からモノを
見てると取られても仕方のないような「娘が消えた、お前らもしっかり探せ」なのが、正直態度の悪さが問題ですよね。
で、逆にコレはジョディ・フォスターの演技力の高さが良くも悪くも功を奏してますよね。
上手いからこそ余計カイルの性格が…言葉はアレですがムカついて見えるわけなので…というかアレですよね、カイルの
キャラがしっかり立ってるからこそ、カーソンの微妙さが余計浮き彫りになってしまってるんですよね、役者不足すぎる。
その反面機長は無駄にイイ感じだったので、脚本的な問題もさる事ながら、配役的にもミスがあったんじゃないかなーと。



フロムヘル

レンタルDVDで観賞、本作のジョニー・デップのハマり具合は見事の一言でしたが、内容の方は正直微妙かなと。
切り裂きジャックに関してはあまりにも有名な娼婦を五人殺した殺人鬼、フリーメーソンは秘密結社、俺自身はその程度の
知識しかなく見始めたんですが、とりあえず「んー…」という感じでした、終盤は描写や演出、展開も意味不明でしたし。
作品柄普通に裸体描写や臓器の映像、ぼかしすら無しで臀部が映っていたのは内容的にも徹底してて良かったですし、
ゴッドリー警部補が、中盤で総監が無理矢理にも程がある理由でアバーラインを担当から外した時以外は、文字通り終始
アバーラインの補佐役として良い絡みを見せて、アバーラインがメアリに惚れたらしいと分かると「私は誰より嬉しい」とか
いきなり熱い発言をしたりで面白かったんですが、全体的に見ると前述の二点とジョニー・デップの良さぐらいかなと。
総監もフリーメーソンの一員で、言わば殺人犯の一味みたいなモノなのでアバーラインに捜査をさせたくなったのは
分かるんですが、壁に文字が書かれるという立派な証拠を消せと命じたり、当然ソレに反抗するアバーラインを停職処分、
五人目の娼婦が殺害された事で無理矢理現場復帰させ何故か昇進扱いと、あまりにも露骨すぎて微妙やなーと。
発言も、アバーラインが教養のある人間が怪しいと言うと「教養のある人間はこんな殺人はおかさん」とかお前アホかと。
しつこくも総監は一味の一人ではあるものの、いくらなんでも怪しすぎる発言が多すぎたのが微妙すぎるというか。
犯人の医者に関しては、アバーラインに質問された際きちんと、医者の視点から見て全て真実を語ったのに対して、
恐らく警察内で立場上最も偉いであろう総監がそんなアホ丸出しの思考を見せるのはマズイやろう、と。
娼婦が軒並みブドウで釣られた点に関しては…今とは時代が違うので想像の域は出ませんが、コレは正直娼婦という点を
除いても迂闊ですよね、連続で娼婦仲間が殺されてるのに、いくら高価なモノとはいえ食べ物に釣られて見知らぬ馬車に
乗り込み路地へ赴き殺害される、娼婦の悪い面のみを重視しすぎていたのが残念だったかなと、流石にもっと慎重。
ラストでアバーラインが死亡していたのに関しては…まぁ、単純にアヘンの吸いすぎという事でいいんでしょうか。
何故かフリーメーソンが実行犯を裁いた以上、今更アバーラインを殺す理由も無いでしょうし。
というわけで、個人的には中盤までは良くも悪くも普通、終盤〜ラストにかけて一気に微妙になったな、という感じでした。



ホステージ

レンタルDVDで観賞、面白かったです、正直久々に「予告で感じた面白さ通りの内容だった」という気がします。
別に予告に関しては本作の感想とはそれ程関係無いんですが、当然ながら予告は良く見えるように作るじゃないですか、
なので実際見てみると良かったのは予告だけで本編は微妙だった、という作品が多い中、個人的には久々に、
このホステージは予告で感じた面白さのまま最後までイってくれたので良かったなと思いました、普通に面白かった。
犯人がプロではなく前科のある若者というのが、もしかすると結構よくある設定なのかもしれませんが、少なくとも今まで
見た限りでは若者が犯人という事は殆ど無かったので新しい感じやなと、少年犯罪が横行する今の時代とも合いますし。
性格的にもDQN丸出しのデニス、悪ぶってるがヤバイ事だけはしないタイプのケヴィン、マジでイカれてるマース、
三者三様の設定で良かったですし、犯罪を犯してしまってるので当然ではありますが三人共死んだり、予想外にしっかり
終わってくれて良かったなと、ジェフを脅して家族を人質に取った謎の連中については別にどちらでも。
真偽は別にしてFBIを持ち出すぐらい大掛かりな組織でしたけど、正直メインはスミス親子の救出劇なわけですから、
個人的には謎の連中の正体は別にどうでもいいかなーと、全滅させない事には今後安心して暮らせませんが、実際問題
今回のように脅されたら、いくら恐怖を取り除く為に相手の正体を知りたいとはいえ、警官という事を考えても恐怖が
先に立ってそうそう正体を暴く、という行動には出れないでしょうから、ある意味ではリアルな内容だったかなと。
というかジェフがホントに良かったです、どういった作品でも主人公で特に気に入った、という人物は居ないんですが、
ジェフに関しては冒頭の交渉時、結果的に嫁も子供も殺されてしまったとはいえ誰も死なせないよう努力していたり、
家の前に躍り出て犯人に呼びかける、スミスを救助する為に裸で救急車に乗って助けに行く、余計な行動を取れば
家族は殺すと何度も言われてるのにジェニファー達の危機を見過ごせず家の中へ突入したりと、愚直にも程がある
真面目な努力家だったので、ちょっと普通に好感が持てる主人公でした、署長になれるのもホント普通に理解出来る。
デニスとケヴィンに関しては特に語る事も無いんですが、こういう…ケヴィンなら単独でここまで常識に外れる
犯罪はしないでしょうし、仮にしても交渉に応じるでしょうからいいんですが、デニスみたいなのが相手だと交渉も
やり辛いですよね、悪い意味で、ただ単にアホなだけなので自分達の言い分以外は全く聞くつもりもない、
そういうタイプなだけにナニをされるか分からないやり辛さがあるやろうなと。
一方のマース、車の乗っ取りがバレただけで婦警に発砲したり、警報を鳴らしながらパトカーが来ただけで発砲、
負傷した婦警を助けるだけだとジェフが言ってるのに発砲、キれたのかジェニファーに邪険にされたからか、
或いはデニスとは別の意味で自分の思い通りにならないのが気に入らないのかケヴィンもデニスも殺すわと、
ほんまヤバイだけの男だったなと、ある意味ここまでキれた相手だと交渉する必要性も無いので楽と言えば楽ですが。
個人的に意外だったのはジェニファーに襲い掛からなかった事でしょうか。
最後とか両手足をベッドに縛り付けてたのに「触らないで」と言われただけで部屋を出て行く辺り、若者に
ありがちな性衝動をしなくて良い感じでした、というか真面目な話家族で見てる以上そういう展開は素で困るわけですが。
トミーに関しては賢すぎたので何も語る事は無いんですが、むしろジェニファー、とりあえず胸デカすぎ。
ヘソが見えてて胸元が若干見えてる黒い服をジェニファーが着てるのを見て「大人の男はそういう格好をセックスへの
誘いだと勘違いする」とスミスも言ってましたが、正直オッサンの気持ちもよく分かる、格好に問題があるというのも
頷けるんですが、それ以上に胸がデカイ、この事実が余計襲われやすいのでそらオッサンも心配やわなと。
私事だと、正直このジェニファー役のミシェル・ホーン、どうも知り合いに体系以外そっくりなので、別の意味で
「死んだらどないしよ」と不安ではありました、知り合い似の人物が劇中でとはいえ死ぬと目覚めが悪いですし。
いや、ホント面白かったです、デニス役の…名前は忘れましたが、デニスの俳優さんはテキサス・チェーンソーにも出演
していたので、どうしても最初見たときホラー映画かと錯覚したんですが、普通に最初から最後まで楽しめました。



炎のメモリアル
妹がパニックモノ好きでして、たまたまツタヤで何か借りようかなと思い見て回ってたところ本作を発見、失礼ながら
ビルの消化中に炎の勢いが激しくなって脱出するタイプに変わる、と思い借りて見てみたんですけども、
内容の方は普通に良い感じでした、パニックモノではなく人間ドラマでしたが、構成と展開が単純に上手いなと、
序盤〜中盤にかけてはジャックとリンダの馴れ初めを描き過ぎているような気もしましたが、
この辺りは良くも悪くもという感じですよね、全体で見れば割り合いとしては気になりませんし、出会いから結婚までを
丁寧に描いてるからこそリンダの不安やジャックが父親になっていく様子、ラストの展開がグっとクるものになるのは
確かなものの、序盤だけを見てると恋愛に比重を置きすぎのような印象も受けますし。
ですがまぁ、全体としては非常に良い作品だったと思います、最初の時点で床が崩落し取り残されるジャック、
身動きが取れず消防署に入隊した時の事からリンダとの出会いや生活を走馬灯のように思い出す時点でジャックが
最終的にどうなるかは読めてしまうものの、それでもグっと来させる描写にしたのは流石やなと、非常に良い映画でした。
人それぞれだとは思いますが、見終わった時に「良い映画を見たな」と素直に思える作品。



マイ・ボディガード
個人的な感想を言うと「んー…」という感じでした、単純に面白いか否かで言えば微妙なレベル。
序盤のクリーシーとピタの絡みは良かったですし、映像や演出は抜きにクリーシーがピタを誘拐した連中を片っ端から
皆殺しにしていく展開は良かったんですが、全体的に映像面で、良いと感じる人も居るでしょうけど個人的には微妙。
専門用語とか分からないので曖昧な表現になりますけど、本作はスローな映像や一瞬早送り、そういう時間の流れを
微妙に早くしたり遅くする映像が多かったですが、逆に見辛いうえに、ピタが誘拐される直前の、クリーシーと
誘拐犯が繰り広げる街中での銃撃戦もまるで迫力が無かったので、個人的には映像と演出で失敗してるなと。
ピタが最後生きていたのは、正直個人的な意見を述べれば俺の場合「なんや、生きてたんかよ」と下衆以下の感想を
平気で抱く事が多いんですが、ピタに関しては生きてて純粋に良かったと思えましたし、試しに吹き替えで所々見てみたら
吹き替えの方が翻訳良かったりと好評価な面もあるんですが、他作品の予告映像等に収録されていて感じた期待程では
無かったかなと、演出面で単純に合わなかった、という意味合いが最も強いとは思いますが。
ただ天才子役と言われてるダコタ・ファニングはマジで天才でした、正直素で凄い、久々に天才の名が相応しい演技力。



マイノリティ・リポート

結構面白かったです、昔からスピルバーグ映画は地味に「んー…」という感想が多いので懸念してたんですが、
普通に見てる分には楽しめたなと、舞台や設定がイイですし、オチや犯人が微妙という点を除けば展開も悪くは無い。
実際は子供拉致って無理矢理働かせてるようなものですけど、三人のプリコグと呼ばれる存在が未来の犯罪現場を
予知出来るおかげで犯罪発生率がゼロ、というのが便利ですし、何より設定として面白いなーと。
こういう未来予知の場合だと、今回だとジョンがリオ・クロウを殺す現場を見る→実際違う行動を取る→結局予知とか
言っておきながら「未来は自分で選択出来る」というクソみたいな展開になるものの、正直小賢しい限りだとは
思いますが「少数報告」という事で能力の一番高いアガサが別の未来を見る可能性がある、という事で、一応未来確定の
展開だったのも良い感じだったのではないかと、ラマーがアン・ライブラリー殺害の件を知られてジョンを罠に嵌める、
というのは素で展開上不自然ですが、まぁ突っ込み始めればキリが無いのは他の作品でもそうなので一応スルー。
何と言うか、単純に見てて面白いと思える設定や要素が多かったな、という印象です。
未来予知で犯罪発生率皆無なのも面白いですし、ありがちながら捕まえる側の主人公が逆に犯罪予知で容疑者になり
捕まえられる側に、スパイダーでしたっけ、機械のクモみたいなので網膜認識させたり、設定面がとにかく光ってたなと。
あとコレは役者側からすれば好ましい事かどうか分かりませんが、ダニー・ウィットワー役のコリン・ファレル、
リオ・クロウの殺害現場が証拠過剰でジョンを犯人に仕立て上げる為に誰かが仕組んだ罠と気付いて以降の展開は中々
元殺人課の人間らしく好感の持てる描写だったんですが、前半の執拗にジョンをねちねちと追うヤな態度が、正直実に
コリン・ファレルがハマってたなと思いました、表情とか如何にも「コイツはムカツクわ」と思えるのが近年稀に見る良顔。
問題点としては、前述のアン・ライブラリーの件もそうなんですが、ラマーの魅力が皆無、という点ですよね。
物語が二転三転するわけでもないのでオチが読めるのが微妙やなと、必要最低限の出番で印象付けてたのは良い感じ。
明かされなくても構わないものの気になる、で言えば誘拐されたジョンの子供、結局真相は明かされず終了したので、
アガサ自身が語ったように成長する事無く誘拐後殺害された、なんでしょうけども、放置はちょっと酷いなーと。
何にしても個人的には結構楽しめました、吹き替えがジョンとアガサ、それぞれ二人分選択可能なのが面白い試み。



マシニスト
娼婦の胸がモロに映った時は何事か思いました、食事時に見んで良かった。
それでネタバレ有りの感想になるんですけども、個人的には正直今イチやったなーと、クリスチャン・ベールの
減量に関しては素直に凄いの一言なものの、内容があまり面白くないというか、悪い意味で「予告が悪い」という
印象を受けました、よくある「予告の出来は良くて面白かったのに、実際見たら全然面白くない」というタイプの意味で。
しつこくも個人的には、なんですが、このテのタイプのシナリオで「実は自分が○○していた」「最初から何も無い」
というラストは、ソコへ至るまでの過程や描写にもよるものの、ほんま個人的にはですが「逃げ」やと思うんですよ。
実際「逃げ」なんて事は無いと思いますけど、どうも「脚本としての面白みを追求してる」と感じれないというか。
まぁそんな個人的な事は置いておいて、アレだけ予告で強調していた「365日間眠れない男」が、あの展開からすると
轢き逃げによる罪の意識で眠れない、とかの解釈でいいとは思うんですが、劇中では特に追求されてませんでしたし、
何より一年間寝てないという点が「本編には殆ど関係無い設定の一つ」になってしまってるのが本末転倒かなと。
感じ方は人それぞれでしょうから面白いと思われる方も当然居られるとは思いますが、個人的には今イチでした。


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