レ・ミゼラブル 少女コゼット

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レ・ミゼラブル 少女コゼット   第01話 「ファンティーヌとコゼット」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

クレア・デーンズが成長した方のコゼットを演じてる劇場版を見て以降、すっかりこの作品に惚れ込んでしまった者としては
放送を心待ちにしていた今回のアニメ版ですが、第一話の印象としては結構良い感じに纏まってたんじゃないかなーと。
OPは悪くない感じでしたし、EDに至っては名作劇場にありがちな曲調なのかもしれませんが作風と相俟って非常に良好。
ファンティーヌ役の萩原さんは薄幸な雰囲気が絶妙でしたし、BSのおかげで単純に映像が綺麗なのも良い感じでした。
しかしアレですよね、こうやって、映像として「裸足のまま外で掃除をさせられるコゼット」とか見ると、これはあまりにも
可哀相ですよね、まだまだ幼い年齢のテナルディエ夫妻の娘達がコゼットと普通に遊ぼうとしてるのに、それを退けてまで
コゼットに労働を強いる姿が鬼でした、むしろこの夫妻が宿屋を経営してすぐに潰れない事実がまず不思議。
他作品同様毎回感想を書いていく予定ですが、感想の中には原作の先の展開バレも含まれてますので各自ご留意を。
 迂闊すぎる針子のおばさん
ファンティーヌが職を求めて店先を訪ねた際「私、パリでお針子をしてました」と答えると店のおばさんは「へぇ、パリで!
ならすぐにでも仕事をお願いしたいね!」と乗り気になってましたけど、正直、いくらなんでもノリが良すぎですよね。
実際の腕前も見ずに、しかも「パリで針子を」というのが本当かどうかも分からないのに「すぐにでも仕事を」は無い。
この辺りの展開は「ファンティーヌが一人だと思う→コゼットが登場する→子連れは雇えない」を見せる為の、早い話が
コゼットを誰かに預けてファンティーヌが一人で働きに行く為の伏線…まぁ伏線というほど大袈裟なものでもないですけど、
そういう含みの展開なのでおばさんのノリがイイのも仕方無いかもしれませんが、不景気の時代にソレは無いやろうと。
 テナルディエ夫妻にコゼットを預けるファンティーヌ
テナルディエ夫妻の宿屋にコゼットを預け、半年分の食費と保障料、コゼットの衣服等を全て預けるファンティーヌ。
コレは冷静に考えるまでもなく迂闊ですよね、確かに子連れで、しかも住み込みで雇ってくれる仕事があるかどうかとなると
そうそう無いので「コゼットを預けて働く」のは仕方無いかもしれませんけど、客ではないと分かった途端露骨に不躾な
態度を見せた女主人に、見た目で判断するのもどうかと思いますが露骨に怪しい宿屋の主人、そんな夫妻の元に…しかも
初対面で、まだ会って5分も経っていない相手に娘を半年も預ける判断をするのはいくらなんでも迂闊すぎるだろうと。
職場は、上手い具合にジャン・ヴァルジャンの工場で働けるように、一発でスパっと決まったから良かったようなものの、
仕事先も決まらないうちから娘を初対面の人間に預けるのは、ちょっと迂闊すぎるにも程があるなと。
で、この先の展開を考えると、今の時点でどうこう言うのもアレですけど、やっぱり真っ当な仕事で何とか収入を得るより、
子供の存在がバレた事で娼婦をする事にしたファンティーヌ同様、女手一つで「住む家」と「生活費」を工面するには、
失礼かもしれませんが、現代と違ってこの時代の収入がどの程度かは分かりませんが、女性なら娼婦、男性なら男娼、
そういう仕事をするのが、正直確実ですよね、特定の時間に仕事をするだけで通常以上の収入が見込めるわけですし。
勿論、実際そういう事をしてもファンティーヌのように病気を貰った挙句に死ぬ可能性は否定出来ませんし、良くも悪くも
コゼットが成長した後の事を考えると「お母さんはどういう仕事をしてるの?」と言われた際に悩む事になりますけど、
現実問題「今」のコゼットの事を考えるなら、後先考えずに…した結果死んでしまっては元も子も無いものの、やっぱり
夜の仕事をした方が、少なくともファンティーヌとコゼットにとっては良かったんじゃないかなーと。
 アランにパンを与えるジャン・ヴァルジャン
どうもマドレーヌという名称よりもジャン・ヴァルジャンの方が、響きとしてカッコイイのでそちらで通させてもらいますが、
パンを盗んだ少年アランに「そのパンはお前の物ではないだろう、返しなさい」と市長になった状態のジャン・ヴァルジャン。
問題を解決させた後、自分の屋敷にアランを連れ帰りパンと牛乳を与え、家族の分のパンも用意した挙句、それだけでなく
翌日からアランの仕事口として雑用係を任せる旨の判断までしてましたけど、いくら自身もパンに縁があるのでアランに
高待遇を敷いたとはいえ、せめてもう少し優しく言うとか、少なくとも少年に「お前」は無いやろうと思いました、お前て。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第02話 「ジャン・ヴァルジャンの秘密」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

幼きガヴローシュにコゼットが歌った魔法の子守唄が神すぎた今回ですが、それ以上に三年の月日で凛々しくなりすぎた
アランに乾杯でした、コゼットを始めとする女性陣に全く変化が見られないのに対しアランは悟空並に進化しすぎ。
ジャヴェールの登場は次回へ回しても良かったような気がするんですけど、全何話の予定なんでしょうね。
この展開速度だと1クールという事は無いでしょうけども、2クールにしては中途半端な気も、でも3クールは長すぎる印象。
 不幸なテナルディエ姉妹
初対面の時点ではコゼットと仲良く遊んでいたにも関わらず、既にテナルディエ夫人の命令でコゼットに陰湿な態度を取る
エポニーヌとアゼルマ、親を選べないのが子の不幸とは言いますけど、こういう親の元に生まれると可哀相ですよね。
可哀相とかそういうのは他人が客観的に見た意見なのでアレですけど、コゼットと遊ぶ事すら禁止するのは捻じ曲げすぎ。
一方のガヴローシュは、逆にこの場合は運が良いと言えるでしょうか、最終的に凶弾に倒れる事になったとはいえ、
別に家出が原因で革命に参加する事になったわけではないので、むしろ家出したのも、結果的には良い流れでしょうし。
それにコゼットが居なければ、テナルディエ夫妻には疎まれてるのでガヴローシュが虐げられてたかもしれませんし。
てか、この夫婦は借金苦だったにも関わらず子供を作って、挙句に産む辺りナニ考えてるのかまるで読めません。
 妙に真面目なアラン
「…でも、やっぱり仕事は欲しいよな…」と、雑用係として雇ってくれるというジャン・ヴァルジャンの考えが読めず、
散々迷った挙句にそう漏らすアランでしたが「仕事は欲しい」と思う辺り真面目ですよね。
貧困な考えで恐縮ですが泥棒で生計を立てる場合は「金は欲しい」になるのが普通なのに、そうはならず「仕事は欲しい」
といく辺りが、根が真面目というか良い意味で子供らしいというか、仕事をしてお金を得る、この基本を理解してるんだなと。
 アランの住居について
前回は町外れのテントだったにも関わらず、今回ジャン・ヴァルジャンの元で働くようになって…何日経過したのかは
描かれてなかったので不明なものの、どうやら一軒家に住むようになったらしいアラン。
兄弟の衛生面を考えてもテントよりは安全ですし、恐らく事情を話したアランにジャン・ヴァルジャンが資金提供を
したんでしょうけど、正直アラン共々市庁舎に住まわすとか、孤児なんですから使いで行かせた孤児院に住まわせるとか、
そうした方が良かったんじゃないかなーと、アランより幼い年代の子が二人で留守番というのは危ないですし。
 何気に裏を取るテナルディエ夫人
おやつのお菓子をコゼットとガヴローシュに取られた、と聞きエポニーヌの口元に鼻を寄せてバターの匂いを調べたり、
同様にコゼットの口元にも鼻を寄せてバターの匂いを確認したり、意外に普通というか、一方的にコゼットを虐げるという
わけではなく、ちゃんと確認する辺りは、イジメてるのは問題ですけど、なんか偉いなーと。
こういう典型的なイジメ一家の場合、どういった作品でも理不尽に特定の人物を虐げるだけに、逆に新鮮な感じでした。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第03話 「新しい友達 シュシュ」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

三話と四話の予告を見ただけで判断するのは早計ですが、現状奇数が作画綺麗で偶数が微妙、という状態なのが難点。
ところで原作の細部を覚えてないので何とも言えないものの、今回のジャン・ヴァルジャンとジャヴェールの対面、
ジャヴェールはこの時点でマドレーヌ市長がジャン・ヴァルジャンという確信を持ってたんでしったっけ?
確信が無くても「ジャン・ヴァルジャンの件を持ち出して揺さぶってみよう」という事で敢えて件のネタを話した可能性も
十分あるものの、赴任そうそう市長相手に、正直ケンカを売ってると取られても仕方無い話をする根性が何と言うか。
 テナルディエ夫人の策略
借金滞納?の件で酒屋にコゼットを派遣するテナルディエ夫人、実際は十日待ってもらえば何とかなる為、コゼットには
敢えて「一ヶ月待ってほしい」と言わせ、それで多少多めに見て十日待たせるよう相手に言わす、というこの作戦、
無難と言えば無難ながらも、コゼットを遣わせたり日数を余分に言わせたり、中々頭が回るのは確かですが、むしろ
この件で注目したいのはコゼットの足です、裸足ですよコゼット、テナルディエ夫人はマジで鬼すぎる。
その昔「妖怪人間ベム」という有名な作品で「怪奇!鬼ババアの潜む屋敷!」という強烈なサブタイの回がありましたが、
正にソレに肉薄する勢い、コゼットに衣服と最低限の食事しか与えず寝床すらまともに用意しないとか悪鬼羅刹の如く。
一方酒屋の女主人は「お願いです!あと一月待って下さい!でないと…私…食事抜きに…」という言葉を聞き十日のみ、
と言葉を返してましたが、まぁいくら頑固な性格だとしても、流石にコゼット…少なくともテナルディエ夫妻の娘でないのは
見れば分かるでしょうから、そんな他所の娘を派遣してきて、真偽は別に「食事抜きに…」なんて言われたら、
流石にこればかりは「可哀相」と思うので多少は待ちますか、マジでコゼットが食事抜きにされると後味悪いですし。
 コゼット命名
犬を抱きかかえ「あんた、なんてふわふわなの。あんたの名前は、シュシュね!」と命名するコゼット。
「ふわふわ」なのに「シュシュ」とはこれいかに、かといって「シュワシュワ」とか言われても困るのは事実ですが。
 冷たい人々
シュシュが馬車に轢かれそうになった為、身を挺してシュシュを守るコゼット、飛び掛かった際にコゼットが少なからず
傷を負った可能性は当然ありますけど、それ以前に、馬車の従者がシュシュの姿を視認したかは別にして、馬車側が何の
言葉も無くそのまま走り去る、というのは異常ですよね、普通なら「大丈夫ですか!?」といった旨の言葉、
或いは「気をつけろ!」といった旨の罵声があるのに、そのどちらもなく無視したままで、周囲の住民もコゼット達を
遠目に見るだけで特に言葉を投げかけないという状況、いくらなんでもこの希薄さは酷いなーと。
 孤児院の謎
アランに「今伺ったお宅でクッキーを頂いたの。これを弟さん達のお土産になさい」と語るシスター、確かにその配慮は
素晴らしいですし、セリフの割りには上から口調に感じないので、流石はシスターといったトコロなんですが、
とりあえずそこまでアランの弟と妹の事を気遣ってるのであれば、まずはアランの弟と妹を孤児院に入れてやれよと。
勿論、アランが自分で稼いだ金で二人を育てたい、という固い決意を持っているから拒否している可能性も否めませんが、
その辺りの会話が一切無いだけに、どうも毎回気になります、治安の面で考えても色々危険ではないのか、と。
 体罰を受けるコゼット
シーツをシュシュに汚され「シーツのお金はあたしが働いて返します!」とコゼットが言うも「お前が働いて返せる
額じゃないんだよ!いまいましい!こうしてやる!」とシュシュを庇うコゼットを箒で殴りつけるテナルディエ夫人。
その様子を見て涙を流すアゼルマ、悲痛な面持ちで「もういいよ!」と叫ぶエポニーヌという、恐ろしくエグイ展開が
繰り広げられたわけですが…流石のエポニーヌ達も、コゼットが「叱られる」だけでなく「虐待を受ける」光景を見ると
動揺というか、怯えてましたけど、まぁ何と言うか…しつこくもエポニーヌ達はテナルディエ夫妻の子として産まれたのが
不幸でしたよね、最初はコゼットとも普通に遊んでたのに数年でこの状況、挙句に目の前で虐待まで繰り広げられると。
今回の件で肉体的苦痛を受けたコゼットは当然可哀相なものの、そんな家庭に住むエポニーヌ達も可哀相だな、と。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第04話 「お母さんの手紙」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

予告でも指摘されてたようにシュシュがデカくなりすぎててまず吹きました、犬が主食としてどういう物を食べてるのかは
知りませんが、少なくともテナルディエ夫妻はシュシュに食事を与えてないでしょうから…てかマジで何を食ってるのか。
どう考えてもコゼットより食事の量が多いので、とにかくソレが謎でした、いくらなんでも太りすぎやろうと。
 テナルディエのありえない金遣い
ファンティーヌからの「コゼット宛ての手紙」と「養育費等の仕送り」を、金だけ取り出して手紙は読まずに暖炉へ捨て、
その金は生活費の足しにするわけでもなく、かといって借金返済に充てるわけでもなく儲け話の賭けに使う超展開。
そのうえ、当時の金の価値がどれ程のモノか分からないので何とも言えませんが、金が無くなると「仕送りを10フランに
するようコゼットの母親に手紙を書こう」とか、そんな自分らのせいで借金まみれになったのに税金を増やして町民に
たかるどっかの市町村みたいな事はせんでもと、よくそれでエポニーヌの学費まかなえるなと。
 周囲のテナルディエ夫妻への印象
新しく赴任してきた神父に、バーテルロー停のテナルディエ夫妻の事を村の女性は「そこの夫婦は、身寄りの無い子供を
預かって育ててるんですけどね、この世知辛い世の中に、親切な人もあったんもんだって、みんな噂してるんですよ」
そう語ってましたが、テナルディエ夫妻とコゼット、この二者をどういう認識で村人は受け止めてるんでしょうね。
今回のこの女性は「親切」と受けとっていて「コゼットを養ってる」と知ってる。
その一方で前回出てきた酒場の女主人なんかは「借金をして返済日を過ぎるような夫婦」という俗な面を知ってる。
で、店の前で毎日同じ小汚い服で、しかも裸足のまま掃除しているコゼットを村の人は間違いなく見てるはずですし、
テナルディエ夫人が店の中から顔を出してコゼットに命令する姿、時間を問わず店の中でコゼットを叱る大声、
これらを聞いてるはずなのに…というかまぁ、その辺りは深く突っ込んだらダメですか、その辺りに関しては悪い意味で
描写が適当なだけ、という事なんでしょう…けども、こういった描写はしっかりしておいてほしかったなーと。
 給料を貰った女性の行動
「ファンティーヌさん!この後お時間あります?」「どうかしたの?」「何か、美味しいものでも食べに行きません?」
給料袋を持って嬉しそうに語る新入りっぽい女性でしたが、ファンティーヌは「あ…私、用事があるの、ごめんなさいね」
とコゼットの仕送りやコゼットと暮らす家の事を考えて断ってましたけど、実際問題、給料日で給料が入ったからといって、
そんな簡単に奮発して食事に行ったりするもんなんでしょうか?
この辺りは人それぞれでしょうけど、当然金が欲しくて好き嫌いに関わらず仕事をしてるのに、やっと入ったその金で
食事をしに行くとか…勿論、食べるのが好きな人であればソレが目的で働いて収入を得てるも同然なのでむしろ正しい
行為ですが、個人的には「給料が入る→ちょっと奮発して何か食べに行く」は分からんなーと。
 ファンティーヌへの周囲の印象
「あの子誘っても無駄よ」「私らとは付き合えないんだってさ」「お高く止まってんだから」「ファンティーヌは、人に
知られたくない隠し事でもあるのかね…」と、ゼフィーヌや周囲の女性は新入りの女性の横でそう語ってましたが、
失礼を承知で言わせて頂ければ、悪い意味で実に女性らしい言動ですよね。
実際子供が居る事を秘密にしてるので「隠し事でもあるのかね」に関しては当たってるんですが、仕事が終わった後に
同僚に付き合って繰り出さなければならない決まりは当然ありませんし、秘密云々は抜きに貯金してる可能性、
そもそも別の仕事もしていてすぐに向かわなければならない可能性、仕事という程のものではないが何かしら用事がある、
こういった可能性も十分考えられるのに、勝手に「私らとは付き合えない」「お高く止まってる」と感じる辺りが、
失礼ながら悪い意味で女性らしい考え方だなと、男の場合は…勿論その男にもよりますけど別に「付き合いが悪い」とは
思わず「用事があるんだろうな」ぐらいにしか思わないので、陰口を叩ける性格が、再三失礼ながら女性らしいなと。
 ガヴローシュの空気の読めなさは異常
年齢を考えれば不自然ではないですし、むしろソレが自然なんですが、今回のガヴローシュの空気の読めなさは異常。
「じゃあシュシュのトコ行く?」とコゼットに言うと「シュシュは字、読めないでしょ」と優しく返答、しかしその言葉に
対して何故かガヴローシュは「シュシュの所行ってくる!」と天然発言炸裂。
来てはならない旨の忠告をコゼットから事前に受けていたにも関わらず、エポニーヌへ忘れ物を届ける為に学校へ向かう
コゼットにシュシュを連れて付いて来るガヴローシュ、挙句休み時間になった瞬間デカイ声で「エポニーヌ!」と発言、
結果的にガヴローシュのこの発言が原因で、帰宅後コゼットはテナルディエ夫人に叱られるハメになったので、
ちょっと今回のガヴローシュの空気の読めなさは異常を通り越して、気付かないうちにコゼットにも迷惑をかける鬼畜さ。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第05話 「ジャヴェールの疑惑」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

どう見ても10歳に満たないコゼットが働いてるのに疑問にすら思わない宿泊客達の存在があまりにもアレでしたが、
今回は警察の役立たずっぷりが異常に光ってた気がします、単純にジャヴェールが性格上動かなかっただけ、という
可能性も十分ありますが、荷馬車が目の前で転倒して人が下敷きになってるのに微動だにしないとか鬼すぎる。
 電話の利便性
フォーシュルヴァンの荷馬車が転倒した事をジャン・ヴァルジャンに伝える為に雨の中を走るアラン。
携帯電話全盛期の現代から考えると、昔はこういう状況下に陥るとどれだけ大変かというのがよく分かりますよね、
市長に知らせる必要性の有無は別にしても、救助を呼ぼうと思っても誰かが走って知らせに行く必要があるので、
つまりそれだけ救助が遅れて生存率も下がりますし、電話だけでなく移動手段も乏しく現場へ来るまでの時間も膨大。
何を今更という感じですが、こういった状況を見てると科学の発展は、真面目に人々の役に立ってるんだなーと。
 冷たい人々
ジャヴェールがマドレーヌ市長をジャン・ヴァルジャンではないか、と疑う為の展開なので仕方無いとはいえ、必死に
荷馬車を持ち上げようとするジャン・ヴァルジャンが「誰か!手を貸してくれ!」と周囲の人々に声をかけるものの、
「手を貸してくれったって…」「無理だよ市長さん…下手すりゃこっちが潰されちまう…」と全く手伝う気の無い人々。
挙句に人々を守る立場にある警官のジャヴェールは「彼らの言う通りです。人間の力で荷馬車を持ち上げるなど不可能」
実際無理かもしれませんが、結果的には人々が結集したおかげで荷馬車を何とか持ち上げる事が出来たという事態。
コレもホント酷い話ですよね、前述のように「多分無理」というのは分かるんですが、せめて手伝うぐらいしろよと。
 態度の悪いフォーシュルヴァン
最終的に感謝の意を表したものの、助けてもらった事に対する感謝の言葉とこれまでの謝罪をする前に、まず膝を痛めて
仕事を無くした事に関する愚痴が先に出る辺りが、悪い意味で身勝手な人間という感じですよね、謝れよと。
 ゼフィーヌの分からない思考回路
「ただの恋人じゃないね…あの子、お金も随分溜め込んでるみたいだし…」と、手紙の相手が誰かというのはこの際抜きに
ショート寸前としか思えませんでした、この「お金も随分溜め込んでるみたいだし」というセリフが、前回も似たような
感想を書きましたけど、相変わらずそういう考えに至る理由が分からないというかありえないというか。
仕事をして収入を得る理由は当然人それぞれでしょうけど、借金返済の為という理由以外で働く場合、基本的に仕事を
する理由は「生活する為」「欲しい何かがあるのでそれを買う為の資金集め」の概ね二つじゃないですか、将来的な
生活費の事も考えて貯金する場合は当然前者に含まれるという選別になると。
なら、当たり前ですけど「仕事をする→お金を溜める」はむしろ普通なのに「お金も随分溜め込んでるみたいだし」
というセリフが出てくる辺りが、もぅ全く読めないですよね、つまりそういうセリフが出るというのは、ゼフィーヌに
とっては「仕事をする→お金を得る→一定期間内に大半を使う」の行動になってるからこそ出るセリフなんでしょうけども。
 食糧不足の宿屋
「今日は泊り客が多くて食材が足りなくなったんだ」との事でコゼットを再度買物へ行かせるテナルディエ夫人。
お前、現実問題として冷蔵庫に入る限界の量とか色々あるでしょうけど、仮にも宿屋なのに余分に食材を確保していない、
というのが色んな意味で凄すぎる、ちゃんと食事を作ってる光景は何気に「おぉ〜」とは思いましたが。
 コゼットに逆恨みするエポニーヌ
トロンが自分の誘いを断りコゼットと楽しそうに喋る事を選んだ事実を知り激昂するエポニーヌ、翌朝黒鴉のボタンが
無くなってる件で腹いせに「…コゼットが盗んだのよ」と言い、そのせいでコゼットは以前同様テナルディエ夫人に
箒攻撃をされたものの…流石にコレに関しては、シュシュのおかげで床に落ちてる事が判明したので、つまりエポニーヌの
嘘だったと分かったので、画面上では描写されてなかったものの、エポニーヌは叱られてるでしょうか、いくらなんでも。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第06話 「コゼットの誕生日」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

作画が微妙なうえに、画面の中央にキャラの顔、といった具合の微妙に手抜きとも取れる構図が多くて残念でしたが、
コレはもぅアレですよね、視聴者の大半が原作を知ってるとは思うんですが、原作を知っててもテナルディエ夫妻が鬼すぎ。
例えば今回なんかもファンティーヌからの誕生日プレゼントをコゼットに渡さずにエポニーヌに渡してましたけど、
正直それぐらいあげろよ、という気になりますよね、むしろたまにはファンティーヌからの手紙を読み聞かせるとか、
プレゼントをちゃんと渡すとか、たまにそういう事をしておけばコゼットをより自分達のいいように使えるんですから、
ホントたまにはコゼットにも良い目を見せてやれよと、見てる分にはテナルディエ夫妻よりエポニーヌの方が鬼ですが。
 告げ口するゼフィーヌ
ファンティーヌが子持ちである事が工場にバレたらマズイのではないか、という同僚の女性にゼフィーヌは何も気にせず、
「そんなの知ったことかい、あたし達みんなを騙してたんだよ。とんでもない食わせ者さ」と発言。
まぁ、でも「知ったことか」という点に関してはそうですよね、嫌な言い方になりますけど、いくら職場の同僚とはいえ
そんなに仲がイイわけでもなければ、むしろゼフィーヌみたいな性格の人間からすれば「自分に友好的じゃない = 嫌な奴」
という認識でしょうから、自分にとって嫌いな相手が居なくなるのであれば、むしろ報告するのは間違いじゃないですよね。
一応規則として「子供が居てはいけない」というのがあるんですから、今回の件に関してはファンティーヌに非があると。
ただ問題は、いくら子持ちだという事を知っても簡単にソレを話す口の軽さと非常識さですよね。
仮に話すとすれば、それは工場長や工場を作った市長のジャン・ヴァルジャンにであって、自分の友達にではない。
 ジャン・ヴァルジャンとファンティーヌの共通点
共通点というわけではないですが、ジャヴェールがジャン・ヴァルジャンの事を色々かぎまわっている件に関して、
酒場の男は「過去がどうだろうと素晴らしい人柄のマドレーヌ市長を疑うな」と言ってましたが、ジャン・ヴァルジャンは
過去に犯罪者として投獄されていて、今現在はその事を誰も知らない街で市長になり人々の役に立ち好かれてる。
一方のファンティーヌは「子供が居る」という事を隠して工場で働くも、それがバレてクビになる。
二人とも「隠してる」という点では同じですが、ファンティーヌの場合はひたすら運が悪いですよね。
状況を問わず、マドレーヌ市長はジャン・ヴァルジャンである、という事が公になったとしても、アランを始めとした
街の人は当然ジャン・ヴァルジャンの過去よりも今の誠実さと素晴らしさを解くでしょうけども、ファンティーヌには
友人がおらず、よりによって周りにはゼフィーヌのような女性しか居なかった、という点。
 頭の固すぎる工場長
ファンティーヌ自身が言うように、遅刻も無ければ休んだ事も無いものの、ファンティーヌをクビにする工場長。
子供の件に関して面接で嘘の報告をした事は問題ですけど、工場長の言う「工場の仲間からも、そういう人とは一緒に
働けないと苦情が出ているのですよ?」というセリフや「監督の私としても、今日のような揉め事は避けたいですし」
は正直問題ですよね、前者は「誰がそういう苦情を言ってるのか?」を調べれば、自ずとゼフィーヌのような性格に
問題のある人物だという事が分かるでしょうし、後者は「揉め事は避けたい」のは誰しも同じものの、少なくとも今回の
騒動に関しては、子供の有無は別に元々ファンティーヌを嫌ってたゼフィーヌが引き起こした揉め事なのに、一方的に
ファンティーヌを糾弾するだけ、というのはあまりにも問題ですよね、工場長が事なかれ主義というだけかもしれませんが。
 タイミングの悪すぎるファンティーヌ
「マドレーヌさんは?」と受付の男性に問うと「会えないそうだ」と返答、しかし「そんな!お願いです、一目だけでも!」
「市長はお忙しい人だから」「ちゃんと聞いてもらえれば、分かって頂けると思います!お願いです!マドレーヌさんに
今すぐ会わせて下さい!」「しつこいな!会えないと言ったら会えないんだ!」というこの一連の流れ。
工場長が「マドレーヌ市長の命令です」と言った事に疑問を持ち訪れるも、運悪くジャン・ヴァルジャンは目眩を覚え
膝を着いた状態、それでアランが「今日は誰とも会わない!」と男に伝えたというのが真相なものの、この男は何故か、
「会えないそうだ」とだけ伝え「体調が悪くて今は会える状態ではない」という事はファンティーヌに告げず。
というかこの場合はこの男が悪い、ファンティーヌの鬼気迫る状況だけを見れば、確かにそんな状況の女性を市長に
会わせるわけにはいかないものの、明らかに相手は自分の言葉を何か誤解してる節があるのに、その事は気にせず、
強い口調でファンティーヌを跳ね除けるだけ、工場の監督といいこの男といい、ジャン・ヴァルジャンは人選ミスが多すぎ。
 ガヴローシュが諸悪の根源
「どうせ母さん、エポニーヌ達にあげてしまうんだよ」「…きっとそうね…」「コゼットはいいの?」「仕方無いわ…」
ファンティーヌからの誕生日プレゼントをテナルディエ夫人に取り上げられた事でコゼットはそう落ち込んでましたが、
コレは、ガヴローシュが地面に落ちたプレゼントを勝手に回収したりしなければ、当然コゼットが自分で拾ったであろう事は
誰の目にも明白なので、つまりガヴローシュのせいでコゼットはファンティーヌからの誕生日プレゼントを入手し損ねたと。
で、その事が原因でテナルディエ夫人はエポニーヌに譲渡し、エポニーヌはトロンにプレゼント、何も知らなかった
エポニーヌはコゼット宛てのプレゼントを盗んだとトロンに勘違いされ、最終的にソレが原因でコゼットはまたも怨まれる。
最後はシュシュを使ってガヴローシュがプレゼントを回収したとはいえ、正直ガヴローシュが事態をややこしくしてました。
というか、コゼットにとってテナルディエ一家はやっぱり疫病神ですよね。
夫妻やエポニーヌは勿論の事、アゼルマは特に何も考えずエポニーヌの側に付くうえ、唯一味方のガヴローシュも、
よくよく行動を追ってみれば結果的にコゼットが怒られる原因を作っている事があまりにも多いというこの惨状。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第07話 「迷子のエポニーヌ」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

エポニーヌが迷子になるまでの過程と、迷子になった後の展開は良い意味で王道だったので然して感想は無いんですが、
むしろ個人的に注目したいのはエポニーヌとテナルディエ夫人のコゼットに対する接し方の違いです。
今までもそうでしたけど、エポニーヌは「とにかくコゼットが気に入らない」のであって、別にテナルディエ夫人は
そこまでコゼットを疎くは思ってないんですよね、ただ単に雑用全般として使ってるだけで、今回のようにコゼットが
パリの絵を持ってようと、通常サイズの桶だろうと、そういう事は別にどうでもいい、と。
 金儲け至上主義のテナルディエ夫妻
小麦の値段が上がるだろうと決めつけて一気に買いに行くのもどうかと思いますが、今回客として訪れたベランジェに、
5フランと偽り通常より高めの金額をせびるのは、性格的な事を考えればむしろ当然ですけど、冷静に考えればこういう、
「通常より余分に金を取る」はマズイですよね、人としてどうかとか以前に、仮にベランジェが「あの宿は5フランだった」
と何かの際に話して、それで実際の金額より高めだったと判明すれば、当然ですけど宿の評判は悪くなりますし、
テナルディエ夫妻の評判も悪くなるので、後々の事を考えると堅実に働くのが一番だなと、本編に関係無いですが。
 何の為に働くのか?
家賃が滞納し、三日で払えなければ出て行ってもらうと言われた為、あまりにも多すぎる量の衣服を修繕する仕事を
三日以内という期限付きにも関わらず引き受けるファンティーヌ。
家賃を払う為には当然纏まった金が必要ですし、コゼットへの仕送りも当然必要、更に将来的にコゼットと一緒に住む為の
家を建設する為の貯金も当然必要と、生きるのに金が必要なのは当然の事ですけど、こういう風な状況になってくると、
正直何の為に生きてるのか、何の為に働いてるのかが分からなくなりますよね。
生きる為に金が必要 = 好き嫌いせずに働く必要がある = 無理な仕事を徹夜でしてでも金を作る必要がある。
こういう生活が続くと「金を得る為に働く」になり、その金を得る理由は現状「家賃を払う為」で、つまり延々無理な
仕事をし続ける事になるので、その人の性格にもよるでしょうけど、何の為に生きてるのか分からんな、と。
自分の好きな仕事なら無理をしてでも、自分が好きなんですから苦にはならないでしょうしやり甲斐もあるでしょうけど、
家賃を払う為に無理をして働き続けるとか、ファンティーヌの場合はコゼットが居るので無理してでも働かなければ
ならないものの、現実問題、こういう状況になると、しつこくも何故生きてるのかが分からなくなってくるなーと。
まぁそんな死にたいという人もそこまで多くはないと思いますけど、正直何故生きてるのかが分からなくなってくる。
 ベランジェは迂闊すぎ
テナルディエ夫妻の様子からコゼットがどう考えてもイイ扱いを受けてない、という事をきちんと理解しておきながら、
コゼットとガヴローシュにだけお菓子をあげたり、コゼットにパリの絵をあげたり、しつこくテナルディエ夫人の前で
コゼットの話に耳を傾けたりと、常識で考えて、これだけコゼットを優遇してると、エポニーヌの態度を見ても分かるように
ベランジェが去った後にコゼットが更に虐待されかねないのに、エポニーヌ達への配慮や気遣いが一切無いのが、
ちょっとあまりにも迂闊だなと、去り際の「これからも辛い事があるかもしれないけど、頑張るんだよ」とかお前が言うなと。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第08話 「お母さんのスカート」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

今回のファンティーヌに対する迫害っぷりは異常でした、タイミングがどうとかよりももはやエグすぎる。
ゼフィーヌは、ファンティーヌが工場の代わりの仕事を未だに発見出来てない事を知り申し訳なさそうな顔をしてましたけど、
コレはほんとアレですよね、どうやらアニメ版のファンティーヌは、規制面での事を考えて娼婦はやらないようですけど、
自分が赤ちゃんの件をバラしたせいでファンティーヌは仕事をクビになり、挙句に娼婦をやって梅毒になり最後は死亡、
とかそんな事を知ってしまったら、もぅマジで精神的に終わってしまいますよね、どうしようもなくなる。
 正直に言わない工場長
ジャン・ヴァルジャンに「他に何か変わった事は?」と聞かれ「素行の悪い工員を一名解雇しましたが」と工場長。
まぁ、実際問題「子供が居るのに居ないと嘘を吐いた女性を一人解雇した」という説明をするのは、それが真実でも
工場長みたいな性格の人なら詳細な説明はしないでしょうけど、それでもちょっと言い方が悪いですよね。
少なくとも「嘘を吐いた」のは「素行が悪い」とまでは言えませんし、最初の時点で嘘を吐いてるのは問題ですけど、
単純に素行の悪さがどうのを言うのであれば、ゼフィーヌや取り巻きのような素行の悪い工員の方が問題なわけですし。
 破滅の道を辿るファンティーヌ
テナルディエからの10フラン要請を受け、余裕の無いファンティーヌは10フランを作る為に自分の髪を売り、自らの髪を
切り入手した10フランを送るのではなく、その10フランで買ったスカートを送った為に…しかも催促から発送までが
随分早かった為、テナルディエは「金はあるって事だな」と勘違いし更に金銭を要求。
その後ファンティーヌは市場で肉体労働の仕事をし、ようやく得た賃金をコゼットへの仕送りにしようと思ったのも束の間、
物陰に隠れていた男に金を盗まれ、警察に行くもみすぼらしい格好と裸足が原因で「警察に物乞いにくるとはいい度胸だな
アンタも」などと警官にありえない事を言われ、最終的には酔っ払いに物乞いをし、酔っ払いの暴挙に反撃をしたところ、
警察に捕まるというとんでもない展開、可哀想とか以前に、ここまで酷い運命を辿ってると同情どころの騒ぎではない。
けどこの場合、元を正せば誰が悪い…まぁ悪いというのもアレですけど、誰が原因という事になるんでしょうね。
コゼットの事を工場長にチクったゼフィーヌも悪いですけど、ファンティーヌに無理な金額を要求したテナルディエも悪い、
解雇してジャン・ヴァルジャンに解雇理由を正直に話さなかった工場長も悪い…が、正直ファンティーヌ自身が悪いかと。
子連れで働くのが無理で、いくら宿屋を経営してるとはいえ初対面のテナルディエ夫妻に大切な一人娘のコゼットを、
その場で簡単に預ける事を決意し、仕方無いとはいえ数年間コゼットに会いにすら来ないという事実。
正直、簡単に人を信用しすぎるファンティーヌが一番悪いのではないかなーと、異常な運の悪さも当然関係してますが。
 ようやく事情を知るジャン・ヴァルジャン
「子供に手紙を書きたいの…パンより…郵便代を…」ファンティーヌにパンを差し出すアランに対し、既に心のすさんだ
ファンティーヌはパンよりも現金を要求し、この際、ファンティーヌが工場をクビになったいきさつを口走り、それで
アランがその事をジャン・ヴァルジャンに伝える、という事でようやくジャン・ヴァルジャンにも事情が伝わりましたが、
忙しいとはいえ、アランにファンティーヌを探しに走らせるのは、ちょっと心証が良くないですよね。
まだ急いで探させるだけ偉いですけど、言わば自分の不注意でファンティーヌを追い込んでしまったのに、人任せかと。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第09話 「テナルディエの悪だくみ」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

テナルディエの鬼畜っぷりが光ってた今回ですが、展開の関係上仕方無いとはいえ、メイエがテナルディエの露骨に
不審な態度に疑惑を抱かない辺りが、見ててもどかしいというよりも嘘っぽく感じてしまいますよね。
勿論、今回テナルディエが言った「よそ様から預かった大切な子を、見ず知らずのアンタに渡すなんて出来ないね!」
というセリフなんかは逆に信憑性があるというか、当然なので言い返せなくて当然ですが、言動の怪しさに気付けよと。
 何気に可哀想なジャヴェール
物語の主軸がコゼットとジャン・ヴァルジャンなので、どうしてもジャヴェールは悪役として描かれてるものの、
今回前半部分のジャヴェールの不遇っぷりは異常でした、いきなりジャン・ヴァルジャンにファンティーヌの解放を
命じられ、その結果「何故…何故あそこまで犯罪者を庇う…やはり市長本人も…犯罪者だからか…」と思う展開。
実際問題、犯罪者を庇ってるとか、ジャン・ヴァルジャンは自分のせいでファンティーヌが抜き差しならない事態に
陥ってしまってるとか、そういう理由は抜きにしても、やっぱりジャヴェールの立場で考えれば納得出来ないですよね、
ファンティーヌの背中に雪を入れた男二人が悪いとは言うものの、ジャン・ヴァルジャンはその男二人を連れてきてる
わけではないですし、現実問題としてファンティーヌが、いくら仕返しとはいえ棒で殴りかかったのは事実なのに、
ジャン・ヴァルジャンは自身に殴りかかった「その人にはそうせざるをえない理由があったのです」の理由も述べず、
ジャヴェールには詳しい事を言わずファンティーヌを市長権限で無理矢理解放、結果だけを見ればこうなるので、
そらジャヴェールとしては納得出来るはずもないですよね、少なくともファンティーヌにも傷害罪は適用されるのに。
 地味に偉いメイエ
解雇の件でファンティーヌに謝罪する工場長メイエが良い感じでした、面と向かって謝罪する辺りがホント偉いですよね。
むしろゼフィーヌがどうしてるのか気になるところですが、メイエは謝罪するだけでなく、コゼットを引き取りに行く役目を、
アランは既に用事が入ってたので自分が罪滅ぼしという事でコゼットの引き取りを志願するのが、今回は無駄に好感触。
まぁ、そもそもジャン・ヴァルジャンの采配ミスでこうなったようなもんですから、そもそもジャン・ヴァルジャンが、
用事が溜まってようと率先してコゼットを引き取りに行けば、少なくともコゼットとファンティーヌは再会ぐらいは
出来たでしょうから、そう考えると、やっぱりジャン・ヴァルジャンはどこか抜けてますよね。
 迷うジャン・ヴァルジャン
「しかしそのテナルディエという男、一筋縄にいきそうもない」と感じ、次は自分がコゼットを迎えに行く事を決意するも、
偽のジャン・ヴァルジャンの裁判が翌日と判明し、どうすればいいのか迷うジャン・ヴァルジャン。
前述のように性格的にはどこか抜けてるものの、逆に真面目なせいでこういう時は迷ってしまいますよね。
確かに、自分と間違われて別の男が一生刑務所暮らしになる、と知ってしまえば迷いますしすぐに真実を明るみの元に
出す為に奔走するものの、嫌な言い方になってしまいますが、黙っていれば自分自身は安泰ですし、仮に裁判ではなく
後日の報告としても、少なくともコゼットを引き取ってファンティーヌに会わせた後に真実を語ればいいのに、
わざわざ真面目に裁判を優先して先に行ったりするから、ややこしい事に…というかまぁ、その真面目さがイイんですが。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第10話 「迷いのマドレーヌ」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

崩れてるわけではないものの、最近は作画がそれほど良いとは言えないレベルで安定しているのが残念な限りです。
何と言うか…作画がどうのというよりも、似たようなカットや構図のシーンが妙に多いのが微妙なトコロ。
で、ふと思ったんですけど、やっぱりカットや構図とか言い出すと16.9より4.3の方が凝りやすいですよね、16.9だと
根本的に横長のサイズになるので、やっぱりどうしても似たような雰囲気のカットや構図が増えてしまいますし。
 自室に物的証拠
その昔ミリエル司教から頂いた大切な銀の燭台、唯一ジャン・ヴァルジャンだと証明出来る物的証拠であり、同時に
ジャン・ヴァルジャンが改心する切欠になった大切な品なわけですが、そんな致命的な証拠を、鍵をかけてるとはいえ
自室の机の中に保管している辺りが、ジャン・ヴァルジャンは色んな意味で凄いというか、あまりにも迂闊すぎるというか。
いかにジャヴェールとはいえ市長の部屋を勝手に調べたりはしないでしょうけど、自室に証拠は流石にどうかと。
 真実を語るジャン・ヴァルジャン
シャンマチウという人間がジャン・ヴァルジャンとして投獄されそうな現実に耐えられず、法廷の席で全てを明るみにする
ジャン・ヴァルジャン、自身がジャン・ヴァルジャンである旨の事実を打ち明け法廷から退席という今回のこの展開。
展開的には大変な事になってるわけですけど、それ以上に「シャンマチウをジャン・ヴァルジャンとする証拠」が、
ちょっとあまりにも無理がありすぎるというか、そんな理由で断定してしまっていいのか、と気になりました。
実際シャンマチウはリンゴを拾い食いしただけなのに、何故かリンゴを盗んだとされてしまってる展開。
で、ジャン・ヴァルジャンと断定させた理由はジャヴェールと罪人二人の証言、いくら警部のジャヴェールが最初に、
「被告人はジャン・ヴァルジャン」だと証言してるとはいえ、そんな「証言だけ」でいいもんなんでしょうか。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第11話 「サンプリスの嘘」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

遂にファンティーヌが死亡してしまったわけですが、今際の際の萩原さんの演技が極まってて非常に良い感じでした。
ただ逆に、作画がココ最近あまり芳しくない仕上がりで、今回もその作画を貫いてたのだけは少々残念だったなと。
せめてメインキャラの最初と最後ぐらいは綺麗に仕上げるか、或いは演出面で見せてほしいトコロ、これでジャヴェールも
普通に終わられたらどうしていいのやらという感じですが…まぁ、最後の最後で微妙な作画、は流石に無いですか。
 ジャヴェールの口による殺人
ジャン・ヴァルジャンの事を話し「コゼットは来ない」とファンティーヌにトドメを刺すジャヴェール。
この場合どうなるんでしょうね、既にファンティーヌは衰弱していたので、言い方は悪いですけど「放っておいても死ぬ」
という状態だったじゃないですか、けど実際はサンプリスの言うように「もうすぐコゼットに会える」という喜びと
希望で持ちこたえてるギリギリの状態、で、そんな時にジャヴェールが、言う必要もないのにジャン・ヴァルジャンの事や
コゼットの事まで話したのでファンティーヌは錯乱気味になりそのまま死亡するというとんでもない展開。
ジャン・ヴァルジャンが言うようにジャヴェールがファンティーヌを殺したようなものですけど、この場合は、
別に「殺人」にはならないんでしょうか、少なくとも市民を守るべき立場にある警察がやっていいような事ではないですが。
余談ですが24S3でシェリーが行った口による殺人、薬を渡さなかったとかは抜きにあそこまでいけばもはや確実に殺人。
 脱獄するジャン・ヴァルジャン
ペンダントの中に隠した…なんかギザギザのを使って早速脱獄するジャン・ヴァルジャンに吹きました。
大人しく捕まってこの後どうするつもりなのか、と視聴者をやきもきさせておいて、まさかの脱獄という超展開。
というか、とりあえず持ち物検査して、何かしら持ってるようなら事前に没収しとけよと。
 嘘を吐くサンプリスと律儀なジャヴェール
「シスターサンプリス、貴女は今まで一度も嘘を吐いた事が無いと聞いています、それゆえ私は貴女を尊敬しています」
と前置いて「今夜ここに脱走したジャン・ヴァルジャンが逃げ込んではきませんでしたか?」とジャヴェール。
しかしシスターサンプリスは「いいえ」と即答、後述でシスターサンプリス自身が言ってたように、ジャン・ヴァルジャン
ではなくマドレーヌ市長なので、この場合はジャヴェールのミスですよね、別にジャン・ヴァルジャンという名前に拘らず、
「マドレーヌ市長と名乗っていたジャン・ヴァルジャンという男」とでも言えば良かったのに。
相手が真面目であればあるほど、逃げ道を無くすというか、細部を固めておかないと言い逃れられるので聞き方のミス。
その反面、その後が無駄に律儀ですよね、シスターサンプリスの「私はずっとここに居ましたが、見かけませんでした」
という言葉を聞き「そうですか…失礼しました」と、カーテンの後ろを調べもせずに即退散。
最初に「一度も嘘を〜」と前置きをした以上、相手が「知らない」と答えれば事実がどうであれ室内の確認ぐらいは
普通しそうなものなのに、シスターサンプリスに敬意を払ってか調べもせずに部屋から出て行くジャヴェール。
この辺りが良い意味で警官らしいというか、真面目ですよね、尊敬してるとまで言った相手をきちんと信用するのが偉い。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第12話 「ひとりぼっちのコゼット」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

今回はコゼットとジャン・ヴァルジャンのやりとりが非常にイイ感じでした、ガヴローシュやシュシュと居る時のコゼットも
当然笑顔なんですけど、ジャン・ヴァルジャンとの会話中はマジで楽しそうな表情や喋り方をするので、普段描写される
コゼットはテナルディエ夫人にイジめられる映像ばかりなので、心底楽しそうにしてるコゼットを見るのは安らぐとういうか。
強いて欲を言えば、予告を見る限り次回は総集編も込みっぽい感じなので、もっと二人の絡みを早く見たいな、と。
 人の本質は同じかどうか
ジャヴェールは「ジャン・ヴァルジャン…必ずひっ捕らえてやる。善人面をしていても、お前は所詮極悪人だ」と、
ジャン・ヴァルジャンを追いながら馬車の車中でそう独白してましたけど、まぁ実際その通りですよね。
どれだけ改心してイイ人になろうと過去の罪を消す事は出来ませんし、やっぱり悪い頃の自分というのも、結局ソレも
自分の一部なので本質的な部分で変わる事は、究極的な事を言えばありえないですよね。
勿論、かといってジャヴェールの言うように「極悪人」とまでは言わなくても、結局「変われるかどうか?」で言えば、
二度とパンを盗んだりしなくても、聖人と崇められる程の偉業を成し遂げても、やっぱり変わったりはしないかなと。
 働きに出されるガヴローシュ
「仕方ないんだガヴローシュ、うちにはもう子供四人を養う金なんか無いんだからな」とテナルディエ、どうやら言葉通り
食事代を削る為にガヴローシュを鍛冶屋の住み込みとして働かせる事になったようですが、続く言葉でエポニーヌが、
「コゼットのお母さんが悪いのよ!ちっともお金送って寄越さないんだから!」と言っていたので、仮にも預かってる
コゼットを余所へやらない辺りが、流石にそこまでしないとは言ってもまだ偉いですよね。
金ヅルとかそんな事は別にして、一応預かってる子なので勝手に余所へやったりはしない…いやまぁ、分かりませんか。



レ・ミゼラブル 少女コゼット   第13話 「ジャン・ヴァルジャンとコゼット」
(C)日本アニメーション・フジテレビ

てっきり1クール目でコゼットの子供時代を終わらせるのかと思っていたんですが、ジャン・ヴァルジャンが引き取るまで。
前回の予告の雰囲気からして総集編も込みかと思いきや別にそんな事は無かったので安心しました。
久しぶり…というか初めてテナルディエ一家がしてやられるというか、ジャン・ヴァルジャンにあしわられる展開だったので
見てて気持ち良かったものの、若干危ない展開ですよね、人形を買いに外へ、寝てる時は部屋に入れるわけでない、
これらの展開を考えると、下手をするとジャン・ヴァルジャンが見てない時にコゼットがイジメられかねない。
 コゼットの待遇を疑問に感じるジャン・ヴァルジャン
「女将さん、どうしてあの子だけ、あんなナリをして働いているんです?」と、初めてコゼットの身なりに疑問を持つ
登場人物ジャン・ヴァルジャン…というかまぁ、展開の都合とかを抜きにすれば、そらどう考えてもコゼットの不遇さは
気になりますよね、同じ年頃のエポニーヌは普通の格好なのに、何故かコゼットは小汚い格好なうえに裸足で仕事。
展開の関係上仕方ないかもしれませんが、出来れば今までにもコゼットの身なりを気にする人物が欲しかったトコロ。
 微妙に間の抜けてるジャン・ヴァルジャン
コゼットが見つめていた人形を買ってきてプレゼント、正直、宿に来る前に買っておけよ、という気がしないでもないですが。
流れとしては「遊ぶ玩具が無いから何していいか分からない」というエポニーヌの嫌味の後なので、行動としては一応
間違ってませんが、この場面は面白かったです、普通事前にプレゼントとして予め買っておきそうなもんじゃないか、と。
 プレゼントは現金?
クリスマス・イヴ、エポニーヌとアゼルマの靴下には銀貨が入っており、コゼットの靴下にはジャン・ヴァルジャンが
何時の間にか金貨を入れておいたという展開、テナルディエ夫妻も流石に娘は可愛いようだった一面が見れましたが、
よく分からないんですけどこの時代…というか「サンタのプレゼントは物」というのは日本の固定概念なんでしょうか?
この時代はお金をプレゼントにして好きな者を子供に買わせる、という事なのかもしれませんが、現ナマてお前。
 ファンティーヌの委任状
最終的にテナルディエが「ファンティーヌの委任状が〜」と口を滑らせてしまったので丸く収まりましたが、仮に
テナルディエがコゼットの我侭も聞かず…というより、逆に「この人がファンティーヌの所へ連れて行ってくれる」と
コゼットに嘘を吹き込んで連れて行かせた場合は、ジャン・ヴァルジャンは1500フラン払うつもりだったんでしょうか。
…まぁ、流石に金銭的な理由は別にしても、自分から「この子の親の許可は?」と話を振るでしょうか。
テナルディエを見返すというか、一泡吹かせてからコゼットを回収するつもりだったでしょうし。
 ガヴローシュとの別れ
ガヴローシュとシュシュも連れて行こうとするコゼットに「鍛冶屋のおじさんとおばさん優しいんだ、だから俺が急に
居なくなったら寂しがると思うんだ」との理由でコゼットに同行出来ないガヴローシュ、それに従うシュシュ。
尺の関係上思いのほか簡素に別れてましたけど、冷静に考えるとコレは凄い展開ですよね。
何年間も虐げられ不遇な扱いを受けていたワーテルロー亭で唯一コゼットの味方をしてくれて弟のように可愛がった相手、
偶然とはいえ芝生で出会いそのまま何年間も共に過ごしてきた相手、その二人と同時に…将来的に再会出来る可能性が
十分にあるとはいえ、少なくとも数ヶ月や数年単位で会う事が出来なくなる、というのは厳しいですよね。


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